Appleの新製品が発表されて、iPhoneを買い替えようか迷っている。どうしても、買い替えたいと思うこともない。とはいえ、今年はMacBook Airを買い替えたのでAppleには貢献している。
だが、Appleのハードウェアは売上を伸ばすことができず、サービス部門が成長のけん引役となっているようだ。
Appleのハードウェア事業は停滞傾向にある。特に、iPhoneの売上は2022年から2024年の間に2%減少し、その他のハードウェアの売上は15%も減少している。一方、サービス部門の収益は、この期間に23%増加した。さらに、調査データによれば、2024年のサービス収益は960億ドルに達し、過去10年間で433%という驚異的な成長を遂げ、iPhoneの成長率を大きく上回っている。現在、サービス部門の売上は、iPhone以外のすべてのハードウェアの売上を合わせた額を上回っている。
よく言われるApple エコシステムは機能しているようだ。実際に個人的には、昨年からApple Oneを使っているので、サービス部門への貢献も始めた。
だが、このような状況でも、財務分析によれば、iPhoneがAppleの事業の中核であることに変わりはない。iPhoneがAppleの総収益に占める割合は、2015年のピーク時66%から2024年度には51%まで徐々に低下しているものの、iPhoneはAppleエコシステム全体の要であり続けている。
それでも傾向を見ると、Appleのビジネスモデルは、ハードウェアの販売からサービスを売るためのハードウェアという戦略に移行していると考えられる。かつては、ハードウェアの売上によって成長を牽引していたが、市場が成熟し、ハードウェアの差別化が難しくなる中で、収益の柱をサービスへとシフトさせたのだ。
この戦略は、顧客の囲い込みを強化するものでもある。iPhoneという強固なプラットフォームを軸に、App Store、Apple Music、iCloudなどのサービスを提供することで、ユーザーはAppleのエコシステムから抜け出しにくくなる。一度サービスを利用し始めると、別のプラットフォームに移行する際の、データ移行の手間、使い慣れた環境の喪失などのコストが大きくなるためだ。
つまり、iPhoneは単なるスマートフォンではなく、有料サービスへの入り口、そして顧客との長期的な関係を築くための接点としての役割を担っている。Appleは、ハードウェアの販売で得られる一時的な収益だけでなく、サービスによる継続的な収益を重視することで、より安定したビジネス基盤を構築していると言える。今後のAppleのマーケティング戦略は、このエコシステムをさらに拡大し、ユーザーのエンゲージメントを高めていくことに焦点が当てられるだろう。