Gemini 3 ProとNano Banana 2

by Shogo

Googleが「Gemini 3 Pro」と、画像系の次世代「Nano Banana 2」を準備していると報道された。Gemini 3 Proは長い文脈とコーディングに強い総合モデルで、Nano Banana 2は高解像生成と編集安定性を狙う画像特化だそうだ。いずれも、もうすぐの投入が予測されている。

現行のGemini 2.5 Proは、推論・コーディングで実用水準を確立しているが、Gemini 3 Proは、長大コンテキスト対応で、調査レポート作成や広告運用の長文・長期・多手順ワークにもタイプできるという。ただし、使ってみた感じでは、まだこなれた文章は書けない。個人的な好みの揉んだもあるとは思うが。Nano Banana 2は、写実性や質感だけでなく「編集の安定」と「キャラクター一貫性」が改善されるようだ。実はNano Bananaは使ったことがない。Proに契約しているので使えるのだが、使う時はRunwayとかの方が良いと思っているので、まだ試していない。この機会に使ってみるか。

Gemini 3 Pro

Gemini 3 Proは、2025年11月のリリースが予測されている。

  • 100万トークンのコンテキスト制限を持ち、長文ドキュメントや複雑なコーディングプロジェクトの処理能力が大幅に向上
  • コーディングと一般的な用途に特化した最適化
  • 現行のGemini 2.5 Pro(リリースから約8ヶ月)の後継モデルとして位置づけ

現在のGemini 2.5 Proは、ソフトウエア開発の評価の業界標準のSWE-Bench Verifiedベンチマークで63.8%のスコアを記録しているが、Anthropic社のClaude Sonnet 4.5の77%には及ばない。Gemini 3 Proはこのギャップを埋めるらしい。だが、コードを書いたりしないので、個人的にはあまり関係ない。

Nano Banana 2

Nano Banana 2は、AI画像生成の新基準を確立することを目指しているそうだ。前身の「Nano Banana」(正式名称:Gemini 2.5 Flash Image)の成功を基盤に、以下の改善が見込まれている

  • プロンプト解釈精度の向上
  • より高いネイティブ解像度での出力
  • 信頼性の高い画像編集機能
  • より正確なビジュアル結果とスマートなプロンプト実行

2025年12月頃のリリースが予想されており、すでにGempix2.aiなどのサードパーティプラットフォームが対応準備を進めている。

AIサービス企業の競争環境

AIサービス業界は前例のないスピードで進化しており、主要企業間の競争が激化している。

  • Google:テキストベースと視覚的AI応用の両面で攻勢をかけ、年末までに2つの主要モデルをリリース予定
  • OpenAI:GPT 5.1と新しいCodex(エージェント型コーディングプラットフォーム)を同時期に開発中
  • Anthropic:Claude Sonnet 4.5がコーディング分野で現在トップパフォーマンスを記録

競争の特徴

リリースサイクルの加速:各社が短期間で新モデルを投入し、技術的優位性を維持しようとしている

  • 専門化の進展:汎用モデルだけでなく、コーディングや画像生成など特定用途に最適化されたモデルの開発が進行
  • ベンチマーク競争:SWE-Bench VerifiedなどのベンチマークがAI性能の指標として重要性を増し、企業間の比較が容易に
  • 統合プラットフォーム戦略:GoogleがVertex AIを通じて開発者エコシステムを強化するなど、単なるモデル提供を超えた包括的なプラットフォーム構築が競争の焦点に

今後の展望

AI市場の競争は、単なる性能向上だけでなく、実用性、コスト効率、使いやすさ、エコシステムの充実度など、多面的な要素で評価される時代に入った。Googleの2モデル同時展開戦略は、テキストと画像の両分野で主導権を維持しようとする同社の意図を示しており、2025年末から2026年初頭にかけて、AI業界の勢力図に大きな変化をもたらす可能性がある。ただし、競合2社が新たなモデルを投入しなければだが。

AI市場は、「モデル戦争」ではなく「統合戦」に移っている。Googleの新2モデルは、広告実務に関して言えば、計画から作成までの一気通貫と精密な編集という業務の両端に対応して、ストレスのないツールを志向している。他方、Anthropicは長時間・安全志向の作業エンジンとして強く、OpenAIはモデル選択性で広い裾野を維持していると評されている。

地政学的な対立関係の中国では、アリババのMoonshot AIは、オープンソースのAIモデルであるKimi K2 Thinkingを立ち上げたと今朝のニュースにもなっている。これは、推論とコーディングのベンチマークでOpenAIのGPT-5とClaude Sonnet 4.5を上回っていると報じられていた。しかも圧倒的に安いようだ。新たなDeepseekショックか。だが、日欧米の企業は、中国のモデルを使うことはないから、今後もGoogle、Anthropic、OpenAIの3社の開発競争が続きそうだ。

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