ChatGPTの用途

by Shogo

ChatGPTは、仕事の用途が多いと勝手に思っていたが、そうではないようだ。

National Bureau of Economic Research(NBER)とハーバード大学経済学者による大規模調査では、非業務用途での利用が全体の53%から70%超へと急増しているという。

調査結果によると、ChatGPTの主要な使用目的は「実用的なガイダンス」「情報収集」「ライティング」の3分野で、全会話の約80%を占める。注目すべきは、コンピュータープログラミングや自己表現といった専門的・創造的用途の比重が相対的に小さいことで、AIツールの一般化を物語っている。

2024年1月に37%だった、典型的に女性的な名前のユーザーが、同年7月には52%まで増加し、ジェンダーギャップが急速に縮小しているそうだ。これは、テクノロジー分野で長年課題とされてきた性別格差の解消を示している。

さらに低・中所得国での普及率が高所得国の4倍以上に達している。これは、デジタルデバイドの逆転現象とも言える。これまで技術革新の恩恵を最後に受けてきた地域が、AI技術においては先頭集団に加わっている。だれでも、ブラウザで無料で使えることが、AIの大衆化を進めているようだ。

ChatGPTの非業務用途の急増は、B2Cマーケティング市場の拡大を意味する。AI産業においては、従来のB2B中心だったマーケティングから、一般消費者向けサービスへのシフトが加速しているのだろう。特に日常生活における、実用的なガイダンスの需要の高まりは、パーソナライズされたAI体験への対応の重要性を示唆する。これは、GPT-5.0公開時に、パーソナルティが失われたと非難した人が多かったことからも類推できる。

すでに進行中のようにChatGPTが日常的な情報収集ツールとして定着することで、検索エンジン主導だった情報アクセスに変化が生じるだろう。この変化は、メディアビジネス、広告収益モデルや情報の信頼性担保システムにも影響を与えることになる。

ChatGPTの非業務用途の利用拡大は、単なる技術普及を超えて、働き方、学び方、情報との向き合い方全般にわたる情報行動の変化を予感させる。マーケティング業界にとっても、消費者行動の根本的変化に対応した戦略転換が急務となっているのが現状だ。

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