2024年は観測史上最も暑い年

by Shogo

アメリカの海洋大気庁(NOAA)やNASAをはじめとする国際的な気候研究機関の発表によると、2024年の世界の平均気温は、20世紀平均を1.29℃上回り、2023年の記録をさらに0.1℃更新したようだ。

つまり、2024年は、観測史上最も暑い年となり、地球温暖化の深刻さを改めて突きつけられている。このような状況で温暖化は真実ではないと公言するアメリカの大統領が就任する。これから、何が起きるのだろうか。

産業革命以前(1850~1900年)と比較すると、2024年の世界の平均気温は1.46℃上昇しており、パリ協定で設定された1.5℃目標に迫った。パリ協定では、産業革命以前からの気温上昇を1.5℃に抑えることで、地球温暖化の深刻な影響を大幅に軽減できるとされていた。

地球温暖化が加速している現実は、単なる一時的な異常気象ではなく、長期的な気候変動の一環であり、生活や地球環境に多大な影響を及ぼす。パリ協定を始め、地球温暖化の対策がわずかながらでも始まっているが、ほとんど効果がないようだ。

地球温暖化の主な原因は、人間活動による温室効果ガスの排出量増加だ。特に石炭や石油、天然ガスといった化石燃料の燃焼が二酸化炭素(CO2)の大量排出を引き起こし、大気中のCO2濃度は産業革命以前の約278ppmから現在では約420ppmにまで増加していると報告されている。

また、森林破壊によってCO2を吸収する能力が低下し、さらにメタンやフロン類など、二酸化炭素よりも強い温室効果を持つガスも温暖化を加速させている。これらの要因が複合的に作用し、大気中に熱が閉じ込められる現象が進行しているということは明白だ。

このような気温上昇は、日常生活や自然環境に深刻な影響を及ぼしている。まず、異常気象の増加が顕著だ。熱波や極端な高温日は多くの地域で健康被害を引き起こし、死亡率の増加にもつながっている。また、大気中の水蒸気量が増加することで豪雨や洪水が頻発し、その被害規模も拡大している。日本では線状降水帯の発生が日常化し洪水などの被害が拡大している。一方で、一部地域では降水量不足による干ばつが深刻化し、水資源や農作物への影響が顕著だ。カリフォルニアの山火事の原因の一つも、この異常気象だ。

自然環境への影響も深刻になってゆくと考えられている。氷河や極地氷床の融解により海面上昇が進み、多くの地域の沿岸部では浸水や土地喪失が進行している。アメリカの海岸部の土地の侵食による家屋の破壊の映像をニュースで見ることが多くなってきた。まだ、日本では同様の事象はないが、今後は分からない。

また、生態系にも大きなダメージを与え、多くの動植物種が絶滅の危機に瀕しているそうだ。さらに、大気中の二酸化炭素吸収による海洋酸性化はサンゴ礁や海洋生物への脅威となり、生態系バランスを崩壊させる可能性があるということも、今回の報告にも含まれていて初めて知った。

社会経済への影響も進むようだ。農業生産性の低下や漁業資源の減少によって食料危機が懸念されており、将来的には飢餓リスクが高まっているのだそうだ。

また、高温や異常気象による健康被害も深刻であり、熱中症患者の増加や感染症拡大など、人々の日常生活に直接的な悪影響を及ぼしている。ロシアなどのツンドラが溶けると新しい病原菌が地表に現れて感染症が拡大するという噂まで聞いたことがある。

このような状況を改善するためには、人類全体で地球温暖化対策に取り組む必要がある。そのためには、二酸化炭素排出量の削減が叫ばれているが、一向に進んでいない。再生可能エネルギーへの転換や化石燃料依存からの脱却、森林保護と植林活動など、多角的なアプローチが求められるが、アメリカは、パリ協定目標から脱退する可能性も指摘され始めている。

さらに個人レベルでも、小さな行動から始めることが大事だが、地球レベルでどこまで危機意識が共有されているか疑問だ。一人ひとりが環境意識を持ち、それぞれの立場で行動を起こすことが求められている。このような状況で温暖化は存在しないと発言する政治家は害悪でしかない。

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