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iPhone 17の発表会で、多くのユーザーや業界関係者が注目したのは、新機能そのものよりもAI昨日の不在だった。音声アシスタントSiriの進化が見られなかったことだ。
Appleが展開する「Apple Intelligence」は文書作成や画像生成などで進歩を示したものの、Siriは依然として複雑な質問に対応できず、検索リンクを返すだけの存在にとどまっている。
このAppleのAIの停滞を受けて、OpenAIのサム・アルトマンが、iPhoneに搭載されるSiriを「ChatGPT Voice」で置き換えるべきだと発言したようだ。
AppleはSiriの再構築を視野に入れ、複数のAI企業と協議を進めていると報じられている。Googleに独自モデル開発を打診したほか、AnthropicのClaudeやOpenAIのChatGPTを自社クラウドでテスト運用する構想も漏れ伝えられている。
この様な背景があるから、サム・アルトマンは、あのような発言をしたのだろう。そこには、2つの意味があると思われる。一つは、Siriの外部AIエンジンに名乗りをあげること、もう一つは、Siriの、そしてAppleの能力不足を揶揄することだ。
Siriはこの十数年、音声AIの代名詞的存在でありながら、その進化は他社のAIに後れを取ってきた。果たしてAppleは「Siriの再生」によって存在感を取り戻すのか、それともChatGPTのような外部AIに主役の座を譲るのか。次世代の音声アシスタント競争は、いま正念場を迎えている。