変異種の影響なのか新規感染者が急激に増加している。特に顕著なのは近畿地方で、昨日は大阪で1209人と言う最多の数字となっている。4日連続で1000人を超えている。
心配なのは大阪だけではなく、隣の兵庫県でも512人と、二度目の500人超えだ。奈良や京都なども含めて、近畿地方で感染者数が急激に増加している。
数こそ大阪より少ないが、関東地方でも同様に増加している。これは、すでに第4波に入っている状況だ。
今の感染数の増加では、飲食店の時短営業だけで増加が食い止められない。より強い移動制限などは、経済にさらに悪影響を与えるから、あとは、ワクチン頼みとなる。ただ、国内で接種数が増えるのは今年の後半となる見込みだ。オリンピックの状況も不透明になった。
しかし、そのワクチンにも問題が発生してきた。最初にヨーロッパでアストラゼネカ製ワクチンで血栓ができるとして、多くの国が接種を中止した。その後、明確な結論が出ないまま、発生の件数が少ないこともあり、多くの国で接種が再開されている。
しかし、デンマークはアストラゼネカ製ワクチンの接種を完全に中止すると発表した。これでまたアストラゼネカ製のワクチンに対して、また疑問出てきた。
日本においては、6000万人分の契約があり、国内製造が4000万人分あるということで早期の接種が可能な主力のワクチンだけに、あまり気持ちのいいものではない。
そして今度はジョンソン&ジョンソン製のワクチンだ。アメリカ政府は、数は少ないが接種後に血栓が生じる事例があったとして、ジョンソン&ジョンソンのワクチンの接種を一時中止している。この停止間は、調査のために1週間から10日間かかると言うことでまだ先が見えない。ジョンソン&ジョンソンのワクチンは、1回の接種で済む上に、保存も常温と言うことで、世界での広範囲の利用が期待されていた。
ジョンソン&ジョンソンは、このワクチンを利益なしで提供すると言うことで、プロジェクトの開始時には大規模な広告も行っている。
背景には、ジョンソン&ジョンソンが苦しんできた何件もの企業としての評判を貶めるような出来事が続いてきたからだ。2019年には、オクラホマ州で、オピオイド中毒を助長するような広告キャンペーンを行ったと言うことで、600億円の制裁金を課せられた。オピオイドの中毒性が高いことを知りながら、事実を誤認させるような広告を行って、死者や中毒者を増加させたとして責任を問われた。
またベビーパウダーによりがんになったとする何千人もの人から訴訟起こされて、既に数十億円の賠償金を支払っている。この状況を受けてアメリカとカナダではベビーパウダーの販売を2020年に中止している。
そこで、今回のワクチンだ。傷ついたジョンソン&ジョンソンの企業イメージを回復させる切り札ともなる今回のワクチンだからこそ、利益なしで提供すると言う広告まで行ってきた。
この接種後の血栓発生は、ジョンソン&ジョンソンにとっても不幸だし、ワクチンの接種を待っている世界の人々にとっても不安な出来事だ。
一刻も早く原因を究明して、できればワクチンに何も問題がないことを証明して、接種が再開されることを望む。