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よく晴れて爽やかな日だった。何か、中国とは空気が違う。ずっと澄んでいていて、しっとりとした空気。そんな感じだ。梅も咲き始めており、春はもうすぐそこに来ている感じがする。
旅行者のように東京の街を歩き回ると、見慣れた風景が新しく見える。私は保守的だから新しいものやことが好きではないのかもしれない。良く知っているはずなのに、異国の街に見えてくる。
整然とした落ち着いた東京は北京とは違う。大声で叫ぶ人もいなければ、唾を吐く人もいない。日本も幾つもの好景気と不況、オリンピック、万博を経て成熟してきたのだろう。古くて若い国、中国もいつか、落ち着いて穏やかなと思われる日は来るのだろうか。
中国でもヨーロッパでもアメリカでもない、私の国、日本。どこにもない、独自の文化と社会を生み出してきた私たち。パリで会った、老夫婦も東京の素晴らしさを褒めたたえた。私もそう思う。安全で穏やかな大都市。経済的には一時の勢いはないのかもしれないが、それを成熟と呼ぶのだろう。やはり、日本人で日本に住みたいと思う。
