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5月は新緑の季節であり、また花の季節だ。May flowerという言葉もあるとおり、世界中どこでも花が咲き誇っているのだろう。北京も路肩や公園のあちこちにバラやべゴニアやハイビスカスや私の知らない多くの花が咲いている。どの街にも負けず、北京は花の多い街だ。オリンピックを控え、あちこち掘り返されて、埃っぽい街でたくさんの花を見ると心が落ち着く。並木のアカシアもちょうど花開き始めた。
どこで咲いても,それらの花は、東京や他のどの街に咲く花と同じだけきれいに咲いている。環境や気候に適応して、その花本来の能力を実現しているのだ。
何の不思議もないことだけれど、自分の力を見つけて、力を信じて、それを実現している花に感動している。何の不思議もないけれどその色、その形で自分を実現できている。
本来の自分を探して、その能力を自分で育てて生きていく。何の不思議のないことだけれど、言うは易し、行うは難しである。でも、あの花はそれができる。私もそうありたいと切に願う。
「薔薇の木に薔薇の花咲く あな愛し何の不思議もおもほえねども」
北原白秋歌集