アメリカの大統領選挙までもうあと3週間を切った。予測はたくさん出ているが、前回も直前まで優勢だった民主党のヒラリー・クリントンが投票ではトランプ大統領に敗れている。それにアメリカ大統領選挙の仕組みの州の選挙人総取りのシステムは単なる投票と違い、思わぬ結果をもたらす。
今回も民主党のバイデン候補が先行しているが、結果は誰にもわからない。しかし、共和党の上院議員たちはトランプ大統領の敗北を予測して行動を始めたようだ。過去4年間、トランプ大統領の振る舞いに目をつぶってきたが、いよいよ公に批判を始めたようだ。改選になる共和党の上院議員が、トランプ大統領の傍若無人な振る舞いや独裁者や白人至上主義者と認めるようなげ発言を非難し始めた。
これは今回の選挙で、ニクソン大統領時代のウォーターゲート事件をきっかけとして共和党が大敗北をした時と同じような空気を感じているからと言うことだ。
現時点のアメリカの上院の勢力図は共和党が53、民主党が45、無所属が2となっており、今回改正される33の議席のうち共和党の議席をいくつかの州で民主党が奪い合えば、ホワイトハウスだけではなく上院も民主党が支配することになる。
現時点の見込みでも、改選になる共和党の議席の州で共和党と民主党が拮抗しているとみられ、民主党の議席は安定していると予測されている。
トランプ大統領がコロナウィルスに感染したこともあり、あるいは前回の大統領選討論で懲りたのか、バーチャルでも討論会に参加しないと言う決定をしたトランプ大統領は、バイデン候補がテレビで演説を行うと決めた時間帯にぶつけて、自らも演説イベントを実施した。
これが別々にテレビで放送されたのだが、バイデン候補のイベントを放送したABCの視聴者は1390万人に対して、トランプ大統領のイベントを放送したNBC MSNBC、CNBCの3つのチャンネルを合わせて1310万人と言う結果だった。これをアメリカのメディアはバイデン候補の勝利と言うように報道しているが、そうだろうか。
私には差は誤差にしか見えない。それにアメリカの人口の3億2000万人に対してもこの視聴者は両方合わせても、10%にも満たない。つまりこのテレビ放送の視聴者数の差は大した影響を持たない。もちろん、選挙に関心のある人が見ているので、見なかった人よりも投票する可能性が高く、結果に一定の影響与えることも事実だが、あまりにも数が少ない。
たくさんの予測が出ているが、選挙の結果は蓋を開けてみなければわからない。特に今回はトランプ大統領なので、負けた場合には何をするかわからない。いくつかの予測ではトランプ大統領が負けた場合に、選挙の正当性について訴訟を起こし、長い間決着がつかないと言うような予測をする人もいる。
どちらの大統領になれば、どういう影響が日本にあるのか今は誰もわからない。少なくともバイデン候補が大統領になれば、コロナウィルス感染症に対してもう少し本腰を入れるのだろうが、それにしても就任は3ヶ月も先の話だ。アメリカの感染者数はこのところ、第3波とも言うべき増加を見せており、10月16日には1日に70,000人を超えてきた。