第三者クッキーの利用が困難な状況になったことを受けて、フィンガープリンティングという技術に注目が集まっている。フィンガープリンティングは、埋め込みデータを利用して個人を識別する技術のことだ。使われるデータは、デバイスの機種、スクリーンの解像度、OSのバージョン、タイムゾーン、使用言語、拡張機能、ブラウザーのバージョン、画面の解像度、フォント設定など。これらの情報を使って個人を特定して行動をフォローする。これらはバックグラウンドで行われるので、デバイスのユーザは気がつかないから防ぐ方法もない。
この方法はすでに7年前からわかっていたが、その時点では、マーケティングのための個人特定に、この技術を利用して来なかった。しかし、アップルやFirefoxが第三者クッキーによるトラッキングを制限し始めたことにより、すでにSafariやFirefoxのブラウザでは、トラッキングが難しくなっている。このためにこのフィンガープリンティングが注目を集め始めた。
私たちがウェブページなどを見るときに、ブラウザは、ハードウェアの情報をウェブサイトに送信する。その情報に基づいてウェブサイトは正確に表示する。ブラウザは、上記の情報の解像度や画面サイズやOS、言語などの情報を送信するのだ。それに合わせてウェブサイトは、対応したウエブサイトを表示する。
また、アプリをダウンロードするときにも、ハードウェアの情報をアプリと共有する。ウェブサイトと同様にアプリも正確なスクリーンサイズや言語、プロセッサーのスピードに調整する必要があるからだ。モバイルアプリは、カメラやマイク位置情報などを共有する際には、許可を求めるが、ハードウェアの情報については許可は不要だ。これらの許可なく集められるハードウェアの情報をもとに、個別の端末を特定していくことが可能となる。2017年に行われた調査によれば、99%の端末は特定できたと言う。
このフィンガープリンティングを防ぐ方法としては、MacとiPhoneのユーザは、ブラウザとしてSafariだけを使えば、Safariにはフィンガープリンティングにつながる情報をブロックする機能が含まれており、トラッキングされない。AndroidとWindowsのユーザは、Firefoxを使えば同様にフィンガープリンティングをブロックしてくれる。GoogleはChromeにフィンガープリンティングを防ぐ機能を追加すると発表したが、それがいつ実現するかはまだ発表されていない。
他に、防ぐ方法としては、方法としては、Privacy ProやDisconnect Premiumといったアプリがあり、それによりトラッキングを防いでくれると言うことだ。これについてはまだ試したことがないので、どのようなものかよくわからない。どちらにせよ、不要なプログラムやアプリは、早くデバイスから削除してしまうのが良い。個人的にはいろいろ試して大量のアプリがiPhoneにたまっているのでまずこれを削除するところから始めよう。