オーストラリアのUVER利用率33%

by Shogo

コロナ禍前の2020年1月に行ったリスボンでは、UVERが大変便利だった。日本で言うUVERではなく、現地では「ユーバー」と呼ばれていたが、同じ会社だ。アプリでリクエストすると、リスボンは小さい町だから、大抵5分以内にやってくる。値段はタクシーの半額程度で安くて良いが、もっと良いのは運転手が非常にフレンドリーで、たいてい英語を喋ることである。その点、タクシーの運転手は、英語がしゃべれないからなのか、そういう態度なのかあまり雰囲気は良くない。

最初にリスボンの空港に着いたのが、フランクフルトで乗り換えて、深夜だったために、空港で高い料金をぼられそうになった。乗る前に料金交渉したから、良かった。NYなど他の都市でよく見るように、タクシー乗り場の担当者おらず、あまり人相のよくないタクシー運転手が数人たむろしていた。そこへ行って交渉したら、ガイドブックに書かれている価格の倍程度を要求された。困って歩いていると他のところにいたタクシーが、近寄ってきて正規の料金でホテルまで送ってくれた。その後、ホテルからタクシーに何度か乗ったが、たいていはあまり感じが良くない。

それで中心部から離れたレストランに食事に行った際に、帰りにUVERを呼んでみるとすぐにやってきて、しかもフレンドリーで価格は半分と大満足だった。その後は1度もタクシーには乗らず、全てUVERにした。

UVERのドライバーが感じが良いのは、チップもアプリで払うことができるからだが、それ以上に評価を気にしているからだ。UVERのドライバーは、評価が良くなると、配車が優先的になったりするし、利益の取り分も高くなると聞いた。

UVERのようなサービスが日本にもあると良いのだが、日本ではUVERは白タク行為にあたるとして事業が開始できていない。この辺はタクシー業界とつながる政治家の影響力が大きいと想像する。日本と言う国は、このようにこのように業界の既得権益でがんじがらめになり、何も新しいことが生まれない国となってしまった。

インターネットが登場してもたらされた最大の効用は、個人と個人がつながることだ。そこからUVERのようなサービスが誕生したが、日本では規制で潰されている。

インターネットによる個人と個人のネットワークは、コミニケーションが簡単になった事は言うまでもないが、それ以上に大きいのは、誰でも、大企業やマスメディアと同じように、インターネット上で発言する機会が与えられるコミュニケーションの民主化だ。

そして、さらに大きいのが、個人と個人がつながる新しいビジネスが生まれたことだ。ヤフオクのようなオークションの個人間取引が多く誕生した。オークションに続いてメルカリのようなフリマの市場も立ち上がった。メルカリが目指しているのは、社会全体で「もの」を大事に使うシェアリングエコノミーである。同じような考え方で、家と車・ドライバーの空き時間を有効に利用するために、UberやAirbnbが生まれている。余っているものを社会全体で有効活用すると言うことだ。

Uberが日本で許可されないと言うのは、既存のタクシー業界の保護と言うことに尽きる。もちろん、国交省や政府の言い分は、白タクで問題が起きたときにどうするのだと言う言い訳だけだ。この辺は、為末大さんの言う「何かあったらどうするんだ症候群」と言うことだが、多分それは言い訳で、本当は既存業界保護の方が真の目的だ。

今朝、このようなことを思った理由は、オーストラリアでは過去1年間にUVERを利用したことのある人の率は33%だと知ったからだ。アメリカイギリスは、同じ26%がUVERを利用したと答えているそうだ。

このように多くの国でUVERが支持されている理由は、当然金額もあるが、UVERのドライバーは評価によって業績が大きく変わるから、評価を守るために安全運転をするであろうし、礼儀や態度も良いからだろう。だから、国交省が理由にあげる白タク行為による問題など起こらない。UVERのドライバーは評価と言うルールで動いているから、単純に法律を守るとかと以上のサービスを実現している。だからこそ、オーストラリア、アメリカ、イギリスなどでは高い利用率になっているのだと思われる。

日本と言う国は、多くのしがらみの中でがんじがらめになって、何も新しいものを受け入れられない残念な国になってしまった。オーストラリアで3人に1人が利用していると言う事は、それだけ多くの国民がそのサービスを歓迎していると言うことだが、日本では、それができない。これでは、日本には未来がないように思えてくる。

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