火星の二つの月

by Shogo

UAEの宇宙船HOPEが火星の軌道に乗って、火星の大気の研究を行っているらしい。この宇宙船からのデータにより、火星の2つの月の一つの小さい方のデイモスは、従来考えられていたように飛んできた小惑星が火星の引力に捉えられたものではなく、火星から分離した可能性があることがわかったそうだ。何の知識もないので、そもそも火星に月があることも、それも二つあることも知らなかった。

ここから連想したのは火星のことではなく、惑星タトゥイーンだ。タトゥイーンは、月ではなく太陽が2つある砂漠の惑星だ。現実に存在する惑星ではない。スター・ウォーズの舞台となった星で、アナキンやルークが育った場所だ。最初に公開された「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」の中でルークが砂漠で2つの太陽のいる夕焼けを見るシーンが印象に残っている。二つの太陽の夕焼けは、まさに遠く離れた銀河を見せてくれた。地球のある太陽系ではありえない光景だから、遠くの銀河を想像させて効果的だった。

その後、二つの太陽を持つ惑星が現実に発見されたと言うことがニュースになって驚いたものだ。空想の世界が現実になったからだ。ずいぶん前のことだと思って調べてみると、2011年にNASAのケプラー宇宙望遠鏡の観測データから二つの太陽を持つ星を確認したそうだ。この星はケプラー16bと名付けられている。

この事は、想像は現実の科学を超えることがあることの一つの事例として、今後も記録されるだろう。

今朝読んだ記事で知った事は、火星には月二つあり、大きい方はフォボスと呼ばれており、最も広い部分で27キロしかなく低い軌道を回っている。小さい方のダイモスは、最も広い部分で15キロ程度の本当に小さな月だ。小ささに加えて、どちらも歪な形をしており、そのサイズと形から火星の引力に捕えられた小惑星と考えられてきたそうだ。

今回UAEの宇宙船HOPEが、火星の周回軌道で観測を続けており、撮影した映像の分析の結果、いくつかのことがわかった。観測データにより、ダイモスの組成が解明された。小惑星と考えられてきたが、他の小惑星の組成データとは違い、ダイモスの炭素と有機物の量は、火星に似ていることが分かった。つまり、かつては火星の一部だった可能性が高いと言うことだ。

UAEはお金持ちの国として知られる。宇宙開発にも、そのお金が投じられていることを知らなかった。今回のHOPEの宇宙計画は、the Emirates Mars Missionと命名されており、UAEの国家プロジェクトのようだ。HOPEは、来年まで火星とダイモスの観測を行う計画のようだ。こうした人類にとっての新たな発見が、アメリカなどでなく、UAEによってなされたことは喜ばしい。多くの国が宇宙開発など、人類の挑戦に取り組むのは良いことだ。

日本も計画では2030年代に火星の観測宇宙船を送る計画があるようだが、本当に実現するのだろうか。そのような体力が残っていれば良いが。

You may also like

Leave a Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください