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一時は一段落していた円安が戻ってきている。物価やエネルギー価格の高騰などの問題など円安に伴う弊害はいくつかあるが、輸出産業は好調だろうと推測する。今朝もトヨタが営業利益1兆円を超えたと言うことがニュースになっていた。現地化を進めているトヨタの利益が円安だけで好調とは思わないが、円安の効果もかなりあるだろう。
そう思って、世界各国の貿易黒字の状況を世界銀行のデータで見てみると、日本は貿易黒字だが、他の貿易が好調な国と比べると見劣りがする。
世界銀行のデータによると、2022年の世界各国の貿易黒字は、中国が4019億ドル、ロシアが2330億ドル、ノルウェーが1754億ドル、ドイツが1727億ドル、サウジアラビアが1508億ドル。そして、日本が910億ドルの黒字だ。
世界の工場の中国は別にして、ロシア、ノルウェー、サウジアラビアはウクライナでの戦争を受けて、化石燃料の輸出により大きな貿易黒字を出している。それらの国を別にすると、エネルギー輸出国ではないドイツは日本と同じ立場だが、日本より大きな貿易黒字を出している。ドイツは、ウクライナでの戦争に大きな影響を受けて、ロシアからのエネルギー輸入を削減して、他の国からの輸入を増やしている。そのため、高い買い物しているはずだが、それ以上に輸出が好調のようだ。日本は、かつてのように世界に輸出できる産品が減っているので、円安を活かしきれないのか。現地化を進めて、国内産業が空洞化しているのだろうか。
この円安がいつまで続くのか、経済の素人にはよくわからない。個人的な旅行や個人輸入のためにももう少し円高に戻さないものかと時々レートをチェックしている。ローマのネガのプリントを進めているので、印画紙が足りなくなりそうだ。