企業がロゴを変えるのはいくつか理由がある。積極的な理由としては事業の方向性を変えるために、その新しい方向性が表現されているようなデザインに変更する。消極的な理由としては、周年記念事業として、気分を変えるためにするロゴ変更もある。
GMが新しいロゴを発表した。
以前のロゴの大文字のGMから、小文字のgmになり、同じ青でも明るい青に変わっている。
この古いロゴかと比べると、若々しくてフレンドリーに思える。この変更については、GMの説明では電気自動車への転換と言うイメージを打ち出したいと言う事のようだ。
ファイザーもロゴの変更をしているが、こちらは製薬会社から科学技術会社と言うことを表現したいと説明されている。
この新しいロゴでは、頭についているリボンの部分が動く。デジタルで表現されることが多いので、動くことも最近の傾向だ。
古いファイザーのロゴは、コロナウイルスのワクチンのイメージもあって、悪くないが、新しいデザインに比べると、力強さが感じられず、ウエブの情報洪水の中では目立たない。
デジタルマーケティングの世界になって、ウェブにおけるロゴの露出が重要になってきたために、たくさんのロゴが変更されてきた。最も簡単に言うと、ロゴのデザインがフラットで、グラデーションのない単色を使ったデザインに変わったと言う大きな流れがある。これはスマートフォンやタブレットなどで見た時に、はっきり見えることが重要だからだ。さらに、ソーシャルメディアのたくさんの情報の中に埋もれて状況では、その中ではっきりと目立つようにするために、シンプルなデザインが望ましい。
最近の自動車の会社のロゴの変更で言うとBMWや日産の変更はこの流れに沿ったデザインになっている。
BMWもフラットでシンプルになった。下の旧ロゴと比べると明確だ。
日産の新旧も同様。
バーガーキングのデザインの変更も同じような考え方だ。形状がシンプルになって色が青の一色が減っている。
ロゴを変える事は、新しい方向性を示すために有効だが、もう一つの目的は、時代の流れの中で、古臭く見えないと言う目的にかなうものだ。その反面、リスクもある。ブランドの支持者から見ると、信頼しているロゴがなくなり、取り残されたような感じを受けるかもしれない。そのようなリスクを避けるためにも、単にロゴを変えるだけではなく、新しいロゴの意味を説明するためのキャンペーンが必要になる。
新しい会社とロゴの方向性についてできるだけ丁寧に説明するような、企業のトップからの情報発信や広告キャンペーンが重要だ。新しいロゴの哲学を説明するようなウェブページの作成も必須だろう。様々な情報発信があって、初めて新しいロゴが受け入れられる。
ロゴが変わると言うことで、話題になっているもう一つの組織は、CIAだ。ロゴの変更と同時にウェブページも変更になり、イベントの会社だとかウェブマーケティングの会社のようなイメージだとか茶化されている。
左の旧ロゴのアメリカを象徴する鷲がなくなり、コンテンポラリーだが、軽く見えるのも事実だ。
確かに、新しいロゴやウェブページは、政府の機関と言うよりも、テクノロジーのベンチャーのようにも見える。つまり組織によっては時代の流れに沿っていると言うふうに見えない方が良いと言うこともあると言うことだろうか。