今日から旅行。3年8カ月ぶりの海外旅行。普通の旅行は、しょっちゅうしているが海外は久しぶりだ。写真家の須田一政には、「角のタバコ屋までの旅」と言う写真集がある。家を出て、ちょっと歩くだけでも、周辺に注意をよく払って新しいことを発見できれば旅になるということだろう。私も、その須田の言うとおりにできれば、毎日が旅かもしれないが、それほど注意深くはないので、旅を感じるためには、どこか遠く、全く違う環境の場所までまで行くしかない。
最近の旅行は、どこかの街を決めて、そこに最低一週間はいて、他の場所には行かないと決めていた。その街に滞在することだけが目的だった。そして、写真を撮ったり、普通の街角を歩いて違う環境を感じていたのだ。だが、今回の旅行は、目的がありその目的の前後に旅程が組まれている。それはラグビーワールドカップ2023の観戦だ。チケットの問題もあり、残念ながら1試合しか観戦できないが、それでも、ご厚意でチケットを手配してくれた人がいて大変ありがたい。
コロナ禍の旅行制限があり2023年大会をフランスに見に行くことなど考えもしなかったが、今年に入って状況が変わり、2019年大会の次の大会を見てみたいと思っていたのが始まりだ。
フランスに行くのは2017年にルーブルのフェルメール展に行って以来だ。6年ぶりのことになる。あの時は、フェルメールの作品が12作も集まるのは当分は無いと考えて、慌ててパリまで行ったものだ。だが、2023年の今年、アムステルダム国立美術館で開かれているフェルメール展にはなんと28作品が集まっている。確認されている作品が35作品前後と考えれば考えられているのでこれ以上集まる事はもう無いだろう。残念ながらアムステルダムには行けなかった。春休みの2月3月は可能性はあったが、それでもやはりコロナ禍の影響で海外旅行をしようと言う気がしなかった。
ということで、今回の旅行は、試合を見るために行くニースも含めて、行き帰りのパリ宿泊も二度に数えると5回も宿が変わると言う珍しい旅行だ。
ラグビーワールドカップ2023 は、金曜日9月8日に、フランスがニュージーランドと対戦して大会が始まる。この試合はこの大会の中でも最も良い試合になることが期待されている。現時点のワールドラグビーのランキングでは、3位と4位のチームの試合だ。主催国のフランス代表には負けられない試合だ。
ラグビーワールドカップは、大会の2年ほど前の世界ランキングを基に組み分けが行われる。このために2年も間が経てばチームの状態も変わり、ランキングも変わっている。だから、このようにランキング5位以内が同じプールに入っていると言うことも起こる。2019年当時もこれは指摘されていたことだが、これは様々な理由によりなかなか解決できないのであろう。
当然のことながら、このような開幕戦のチケットは手に入らない。だから、金曜日には、パリにいてもサンドニの会場には行けず、コンコルド広場にできるファンゾーンのパブリックビューイングで見ることになる。
ともかく、日本代表にはがんばってもらいたいものだ。そして、個人的には久しぶりにフィルムで写真を撮ろうと考えている。しかし残念なことに長い間使ってきたコダックのT-Maxはなんと1本3000円以上もする。今回はローライフレックスで取ろうと考えているので、1カットあたり300円近くと言うことだ。昔であればブローニーフィルムを1本買って300円でお釣りが来たものだ。コダックがずいぶん高くなったので、旅支度としては、イルフォードのフィルムを1本1200円程度でヨドバシに注文して届いている。以前も使ったことがあるが、違いがわからなかったので問題は無いはずだ。仮に問題があったとしても、今後はイルフォードを使おうと決めている。とても1本3000払うつもりはないからだ。ということで、フィルムもユーロも高い旅が始まる。