X(旧Twitter)は、イーロン・マスクの個人発信で話題が多いが、それでも一般的には強いSNSであることは変わらない。特に、2024年のアメリカ大統領選挙ではトランプ再選の原動力だったという意見もあるようだ。
最新ユーザー数データでも、それは明らかだ。まず、グローバルユーザー数は、2024年第2四半期時点で、月間アクティブユーザー数(MAU)は約5億7000万人に達し、前年同期比で約6%増加している。特に動画コンテンツの視聴が顕著に増加し、1日あたりの動画再生回数は前年同期比45%増となったそうだ。ミニブログと呼ばれたTwitterも、今では動画共有がメインとなりつつある。
日本はアメリカに次ぐ第2位の市場で、約6,740万人のユーザーがいる。国別ユーザー数ランキングでは以下のような順位だ。
- アメリカ:9,540万人
- 日本:6,740万人
- インド:2,725万人
Xのプラットフォーム上では1分間に約35万件の投稿が行われており、これは1日あたり約5億400万件の投稿に相当する。特筆すべき点として、全投稿の92%が上位10%のアクティブユーザーによって生成されているそうだ。これは、パレートの法則よりも集中度が高い。
これに反して、Xの凋落を見越して立ち上がった競合はパッとしない。最大のThreadsで月間アクティブユーザー数は、2億7,500万人だ。Threads以外では、招待制を止めたBlueskyで2,000万人、ちょっと技術的に敷居が高いMastodon 1,500万人となっている。Threadsが最大の競合だが、これはFacebookとInstagramとの抱き合わせプロモーションの結果だから、かなり下駄を履いている。Blueskyがもう少し伸びるかと思ったが、そうはならなかった。ジャック・ドーシーもすでに離れたようだ。
Threadsは、まだXには及ばないまでも急速に成長している事は間違いない。BlueskyやMastodonとは1桁違いのユーザー数に達している。このThreadsの成長の要因としては、Xにおけるヘイトスピーチや誤情報への寛容性に対する不満、そしてFacebookやInstagramを通じてMetaが積極的にユーザー獲得を促したことが理由である。
しかし、Xの月間アクティブユーザー数は依然としてThreadsの倍と大きく上回っている。Threadsは、Xとの差を縮めつつあるが、初期の勢いを維持することは難しいようだ。あの時点はXの先行きが不透明で異常事態だった。さらにMetaの、半強制的な強いプロモーションも効果を発揮した。しかし、現時点ではThreadsのユーザーエンゲージメントの低さや、問題投稿への対策が不十分であるという懸念の声も上がっている。
一方、Xは最近、ブロックしたユーザーが公開投稿を閲覧できるようにするというポリシー変更を発表し、大きな反発を招いた。ストーカーや嫌がらせ行為をする人が標的の活動を容易に追跡できるようになるという懸念から、安全上の懸念や、そのようなポリシーを制定するソーシャルメディアへの反対から、一部のユーザーがXから離れる可能性も出てきている。
Threadsの現状
- 月間アクティブユーザー数:2.75億人
- Xとの比較:Xのユーザー数には及ばないものの、急速に成長している
- 強み:Instagramとの連携、シンプルなインターフェース
- 課題:ユーザーエンゲージメントの低さ、脅威への対策
Threadsは、この状況からXに追いつく新機能の導入を開始している。それは、ユーザーが特定のトピックやアカウントをフォローできるカスタムフィード機能だ。この機能により、興味に基づいて投稿を逆時系列順で表示することが可能になる。これは、Blueskyでも提供されている機能に似ている。Meta得意の良い機能はすぐに取り入れる(真似る)ということだ。
この新機能により、ユーザーはアプリ内で特定のアカウントや話題を簡単に追跡できるようになる。フィードを作成するか、既存のフィードにトピックやアカウントを追加するには、投稿の右上にある三点ボタンをタップし、「新しいフィードを作成」または「フィードに追加」を選択する。検索結果からもトピックを追加してフォローすることが可能だ。
カスタムフィードの作成方法
- 投稿の右上にある3つのドットをタップ
- 「新しいフィードを作成」または「フィードに追加」を選択
- 特定のアカウントやトピックを選択
複数のフィードを持つ場合、Threadsでは最も適したフィードを選択することができる。アプリの上部には複数のフィード名が表示され、左右にスワイプすることで切り替えができる。この機能は現在、限られたユーザーを対象にテストが行われており、今後の大規模な展開が期待されている。
競合のBlueskyでは、興味やエンゲージメントに基づいて選ばれた特定のフィードをフォローすることが可能だ。しかし、Blueskyのカスタムフィード作成は技術的な知識を要するため、初心者にはやや複雑のようだ。これに対して、Threadsではより簡単にフィードを作成できるようになるらしい。
現在、ThreadsとBlueskyは、Xから離れるユーザー層を取り込もうとしている。Instagramとの連携により、Threadsはすでに2億7,500万人を超える月間アクティブユーザーを抱えており、11月には1,500万人のユーザーを新たに獲得した。一方で、Blueskyもトランプ再選後に伸びているが総ユーザー数は2,000万人を超えた程度。やはり、技術的な敷居が高いようだ。しばらく前にアカウントを作ったが、あまり使わないので難しいのかどうかも分からない。
Threadsのカスタムフィード機能の導入は、Xの混乱やプライバシーの懸念が高まる中、MetaはThreadsを通じて新たな選択肢を提供し、このジャンルの中心になろうとしているようだ。