Netflixは2024年第4四半期の決算報告で、過去最高の1900万人という驚異的な新規会員増加数を記録しました。これはNetflixの歴史上、最大の四半期会員増加数であり、パンデミックによる巣ごもり需要の高まりを上回る数字だ。
Netflixのこの成功は、戦略的なコンテンツ展開によるものが大きいと分析されている。主なものは次の番組だ。
- 「イカゲーム」シーズン2
- ジェイク・ポール対マイク・タイソン戦(史上最もストリーミングされたスポーツイベント)
- クリスマスのNFLゲーム2試合
「イカゲーム」は以外の番組は、スポーツ中継で、Netflixがスポーツ中継に参入したことが奏功したことになる。これらが新規会員登録を促進する大きな要因となったようだ。
Netflixの収益は16%増の102億5000万ドルに達し、年末の会員数は3億200万人となった。スポーツ中継では、Netflixは、2027年と2031年のFIFA女子ワールドカップの米国放映権を獲得したことを発表している。「イカゲーム」などのコンテンツ制作だけではなく、スポーツにも積極的にコミットしていくようだ。
決算発表では、会員増の原動力の広告付きプランにも言及されている。広告付きプランは、広告付きプラン対象国では新規登録の55%以上を占めているそうだ。広告付きプランの会員数は、前四半期比で約30%増加し、その前の四半期は25%増加している。やはり、広告付でも安いプランを選択するする人も多い。メディアビジネスの古典的モデルだ。
コンテンツ以外にも、Netflixはゲームやインタラクティブコンテンツなども提供している。2025年には、四半期ごとの会員数だけではなく、エンゲージメントや営業利益率などの指標に重点を置いた報告に移行することも発表された。これは、加入者数だけに頼らず、多様なチャネルを通じて収益を伸ばし続けるという戦略を反映しているようだ。
Netflixの2025年の見通しは楽観的で、会員数の増加、広告事業の拡大、高品質な番組への継続的な投資により、前年比12〜14%の収益成長を予測している。この時代に、この規模に達していても、大した自信だ。
やはり、これまで避けてきたスポーツ中継への参入は大きな効果があったのだろう。やはり、スポーツはキラーコンテンツだと改めて実感する。ジェイク・ポール対マイク・タイソンの試合は、これまでのストリーミングの記録を打ち破り、NetflixのクリスマスのNFLゲームは、テレビに匹敵する視聴者数を獲得した。そして、今月初めから、NetflixはWWE Rawのライブエピソードを毎週ストリーミング配信し始めている。
今回の発表でも、コンテンツへの支出を増やす予定であり、2025年には、コンテンツに180億ドルを支出すると予想しており、これは2024年の170億ドルから増加している。この予算に一部が、スポーツのライブ中継に回るのだろう。
Netflixは、コンテンツの多様化、広告事業の拡大、ライブイベントへの進出など、多角的な戦略によって成長を続けている。加入者数の増加ペースは鈍化しているものの、収益と利益は着実に増加しており、ストリーミング業界におけるトップの地位を確固たるものにしている。パンデミックの急成長後に成長が停滞すると見られていたが、広告やスポーツの戦略転換により見事に期待を裏切った。