2026年1月7日時点のSimilarweb推計によると、Threadsのモバイル日次アクティブユーザー数は、iOSとAndroidを合算して1億4,150万、Xは1億2,500万だ。一方でWebでは、Xが日次約1億4,540万訪問、Threadsは約850万訪問と大きな開きがあり、総合するとXは日次2.7億超、Threadsは1.5億規模と推計されている。
数字だけを見れば「ThreadsがXを倒した」というより、「スマホでの利用でThreadsが前に出た」と表現したほうが現実に近い。
この伸びは、直近の炎上やスキャンダルへの一時的な避難ではなく、数カ月単位で続いてきた増加だと考えられている。背景には、SNS競争の軸が、機能の多さから、習慣のサプライチェーン(獲得→回遊→再訪→収益化)の設計力へ移ったことがある。ThreadsはMeta、とりわけInstagramという巨大なプラットフォームの上に増設された出先アプリのような位置づけで、フォロー関係や通知が最初から流れ込む構造になっている。そのおかげで、新規SNSにとって最も難しい、最初の利用習慣がふんだんにもたらされている。
Threadsの設計も、多くの分析では、(使っていないから分からないが)議論より滞在に寄せられてきたらしい。コミュニティ機能やフィルター、DM、長文、消える投稿といったアップデートで、とりあえず触っていられる理由を増やしてきたという。スマホは用途が細かく分岐するほど利用回数が増える端末であり、Threadsはその性質に合わせて、静かに習慣化を促してきたらしい。
対照的にXは、ブラウザのタブで開きっぱなしにされ、検索や引用、埋め込みなど仕事道具としての役割が強い。その結果、Webでは依然としてXが圧倒的に強いままだ。Threadsは逆に、ホーム画面から起動して流し見し、通知から戻る設計が中心で、ブラウザで継続的に利用するサービスと、モバイルでチラ見するサービスという、生活導線の違いがそのままデータの差になっている。
さらにXでは、Grokによる性的ディープフェイク生成の問題に対し、カリフォルニア州司法長官が調査を開始し、xAIに停止を求める書簡を送ったと報じられている。各国の政府も、この問題について懸念を表明している。アメリカの議員は、AppleとGoogleに対してアプリストアからXの削除を求めている。
こうした出来事は政治的立場の前に、多くの人にとってXに対するブランドイメージを棄損した。通勤電車で、今このアプリを開いて大丈夫かと一瞬ためらうだけで、モバイルの起動習慣は別のアプリに簡単に流れてしまう。アルゴリズムの公開などX側の透明化の試みは正しいと思うが、ホーム画面で指が自然に向かう先を決めているのは、アプリを起動すると何が待っているかのほうなのかもしれない。
