「パーソナルインテリジェンス」機能

by Shogo

Googleの戦略は、全てのサービスにAI統合してGeminiを広く普及させることのようだ。これは、AIで効率化・高度化ができるのであれば、ユーザーにとってもメリットはある。そして、Gmailや検索を始め、多くのサービスを抱えるGoogleは、多くのアプリケーションを持つから、この点ではOpenAIよりは有利だ。だが、この戦略が上手くいっていないのがMicrosoftだ。印象ではcopilotはあまり使われていないと思われる。

Googleは、2026年1月22日に、米国のAI ProおよびAI Ultra加入者向けに、検索の「AIモード」に「パーソナルインテリジェンス」機能を追加した。これは、GmailやGoogle Photosと連携して個人の文脈を理解し、最適化された回答を生成する機能だ。

検索が「調べる」から「理解する」へ

検索窓にキーワードを入力してはリンクを辿って、必要な情報を探し続けてきた。しかし、パーソナルインテリジェンスを搭載したAIモードは、その面倒なプロセスを省略する。たとえば、ユーザーが過去に購入したスニーカーのブランドを記憶し、新しいモデルを提案する。あるいはGmailとGoogleフォトから旅行の予定や写真を読み取って、次の行程を提案するようにもなる。

ここで重要なのは、この機能がオプトイン方式だという点だ。ユーザーは自分の意思でGmailやフォトとの連携を選択し、いつでもオフにできる。さらに、AIはGmailやフォトの内容そのものを学習するのではなく、AIモードでの特定のプロンプトとモデルの応答のみを学習する設計になっているようだ。Googleはプライバシー保護にかなり慎重な姿勢を示していると言える。

「世界の知識」と「私の文脈」の統合

Googleは「Google検索は、世界の情報にアクセスする基盤であるが、最も役立つ検索体験とは、そのグローバルな知識と、ユーザー個人に関連する洞察を統合することだ」と述べている。パーソナルインテリジェンスは、まさにこの統合を実現する試みと言っていいだろう。

従来のパーソナライズド検索は、閲覧履歴や位置情報をもとに結果をカスタマイズしてきた。しかし、AIモードのパーソナルインテリジェンスは、ユーザーの「予定」や「好み」といった、より深い文脈を理解しようとする点で一線を画す。検索が単なる情報検索から、対話型の体験へとシフトしつつあると感じる。

ゼロクリック検索の拡大とウェブサイトへの影響

だが、この進化には影を落とす側面もある。AIが検索結果画面で完結した回答を提示することで、ユーザーがリンクをクリックしない「ゼロクリック検索」が増加する可能性が高い。特に、定型的な質問や簡単な調べものでは、AIの回答だけで満足してしまうユーザーが増え、ウェブサイトへのトラフィックが減少するリスクは否定できない。これは、個人的にも実感している。あまり、リンクをクリックしないで情報を得てしまう。

プライバシーとパーソナライゼーションのバランス

このように個人情報の活用が進む中で、プライバシーへの懸念も高まっている。閲覧履歴や位置情報、メールの内容は、その人の趣味・嗜好性や交友関係を明らかにする。どこまで個人データが使われているのか、明確でないところも多く、プライバシーの侵害や個人情報の流出・悪用に対する不安は拭えない。この点に多くの人が不安を感じているだろう。

このためか、Googleはオプトイン方式を採用し、ユーザーに選択権を与えている点で、一定の配慮を示している。ただし、便利さと引き換えに、どこまで自分の情報を開示するかという判断は、ユーザー一人ひとりに委ねられている。この緊張関係は、今後も続くだろう。

AIエージェント時代の検索体験

今後、検索エンジンは「人間」と「AIエージェント」の2つの訪問者に対応する必要が出てくるという予測もある。AIエージェントは、ユーザーの代わりにウェブを巡回し、情報を収集・整理する存在になる可能性がある。2025年はまさに「AIエージェント元年」と呼ばれ、OpenAIの「Operator」など、業務を代行するAIの実用化が進んでいる。

こうした流れの中で、検索は「調べる」行為から、「AIと対話して理解する」体験へと変わりつつある。パーソナルインテリジェンスは、その変化を象徴する機能と言えるかもしれない。ただし、この進化が私たちの情報環境をどう変えるのか、まだ見えない部分も多い。便利さの裏に潜むリスクを見極めながら、新しい検索体験と向き合う必要があるだろう。

​パーソナルインテリジェンス機能の、日本での公開時期は、まだ発表されていない。

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