「イカゲーム」が韓国ドラマとして初めて、すべての国のNetflixで1位となったそうだ。個人的にはまだ見ていないので、なるべく関連する記事は読まないようにしている。それでもあちらこちらで話題になっていて、だんだん知識が蓄積している。もうそろそろ、見ないといけないかもしれない。
それにしても、アジアから初めてアカデミー賞とった「パラサイト」といい「イカゲーム」といい、韓国はコンテンツでメジャーになってきている。日本のコンテンツも海外で人気があるといっても、メインストリームではなく、一部に熱狂的なファンがいると言う程度で、決してメインストリームになっていない。
この違いはどこから来るのか。日本では、英語のコンテンツでは無いからと言う理由がよく語られてきたが、「イカゲーム」は韓国語で、作られている。それが各国で吹き替えやサブタイトルで見られている。日本語で作っても同じことだ。良いものであれば、サブタイトルででも見られる。今まで、日本の作品が世界中で通常のランキングで1位になったと言う事は聞いたことがない。TBSが制作する「日本沈没」もNetflix経由で世界に配信される。これがどの程度の視聴者を集められるのか注目だ。
一時期クールジャパンと言われてアニメ関係が輸出商品になると考えられていた。しかしその頃から、世界の多くの人々に受け入れるのには限界があると思っていた。日本でも海外でもアニメと言うだけで見ないと言う人がいるからだ。
その点、「パラサイト」にしても「イカゲーム」にしても、実写の通常のエンターテイメント作品である。しかも、「イカゲーム」については、日本のいくつかの作品の影響があると多くの人が指摘している。これについては見てもいないので何とも言えない。それに、仮にパクリであっても問題はない。映画でもテレビでも、何かが元になって作られている。
「イカゲーム」の放送が始まってからまだ1ヵ月もたたないのに、急激な人気が出ているので、この人気を利用しようとすでに多くの企業がタイアップ始めている。日本ではあまり見かけないお菓子のNutter Butterが、広告のタイアップを始め、「イカゲーム」のガードの頭がお菓子になっている広告を開始した。ハイネケンも、ゲームに登場するマークを利用した広告を行っている。ルイヴィトンは、「イカゲーム」の出演している女優をブランドアンバサダーに起用した。それから、「イカゲーム」の関連グッズがウォルマートで売り始められたそうだ。ドラマに登場する緑色の衣装や関連する商品が店舗とネットで人気になっているという。
スター・ウォーズも映画の人気が出てグッズが爆発的に売れ、商品化権を持っていた監督のジョージ・ルーカスが莫大な富を成したと言う話がある。それと同じで、グッズが売れ始めていると言う事は、その人気はスター・ウォーズのように本物なのだろう。
今後の日本のあり方としてソフトの輸出が重要だと以前より思っていた。この状況考えると、韓国はすでに日本より先にその域に達した。日本のエンタメ産業は今後どのように世界戦略を考えるのかが重要だ。ネットはすでにグローバルだし、AIの進歩によって言語の自動翻訳などもそんな遠い未来のことではない。そんな時代には、マーケットは世界と考えなければ、ビジネスではない。