日経で「山のサブスク」と言う言葉を見つけて興味を惹かれた。この山のサブスクは、東京都檜原村でMOKKI NO MORIが行っているもののようだ。450,000ヘクタールの森を開放すると言う。会費は家族会員では年間130,000円。山を自由に使ってキャンプをしたり焚き火をしたりできると言う。昨年10月の開始だからまだ8ヶ月ほどの新しい試みだ。現在の会員が110人だと言う。
コロナ禍や広島での生活のために回数が落ちてしまっているが、年に何度か山歩きをしている。それほど高い山に登るわけではないので、ここでは山歩きと言う言葉を使っている。
通常はガイドブックに出ているような、登山道を歩いているだけだ。私のような素人だけではなくて、たくさんの人が山を歩いている。
これがさらに進むとキャンプと言うことになるのであろう。確かに考えてみると、キャンプ地として営業している施設以外では、キャンプをできるような場所と言うのは限られている。それが、都心からも近い檜原村に東京ドーム10個分と言う巨大なスペースで自由に使えると言うことになると、山歩きを一歩進めてキャンプをしようと言う人にとっては、ちょうど良い経験なのかもしれない。シングルでは年間110,000円。
多分このメンバーシップ制と言うのが良いのかもしれない。たくさんの人が溢れて、山の静けさを失うようなことになると興ざめだからだ。MOKKI NO MORIのサイトを見ると各フィールドで1日あたりの定員を設定していると言うことなので、過密な状況になると言うような事は無いのであろう。また、会員限定の薪作りのワークショップなどもあり楽しそうだ。
通常のキャンプ地と違って自然の山なので施設はないのかもしれないな、その方がかえって良い。キャンプ地と言うのは日本にもたくさんあるが、そのような場所でのキャンプは屋外の旅館に泊まるようなもので、周りのたくさんの人がいるであろう。山の静けさを堪能しようと言う目的には少し合わない。自分も始めると考えると、ソロキャンプもあるが、初心者にはハードルが高いので、最初は誰か一緒の人見つければ挑戦できるかもしれないと記事を見て考えた
コロナ禍で、人とあまり会わない山歩きは人気のように思ったので、山登りの人口を調べてみたが、総務省統計局のデータも古く最新の統計はあまりない。レジャー白書によると2000年以降で登山人口が最も多かったのは2009年で1230万人で、その後減少して2018年では680万人だと言う。この数字も2018年のものなので、コロナ前だ。その意味でこの中で登山やキャンプの人口はどの程度増えているのかデータはあまりない。
この10年後ほど山ガールなどの言葉が流行ったりして、山登りが流行かと思っていたが2009年がピークでその後はコロナ前までは減少が続いていたようだ。
新しい統計が出るまでは市場規模はわからないが、個人的に山歩きをするとたくさんの人に会うので、市場はもう少し大きいのかと思っていた。
今回の山のサブスクのように、山歩きではなく新しい自然の楽しみ方が定着すれば、今も登山ではない、自然を楽しむ新しい市場の誕生の可能性はある。つまりタダでテレビを見るのではなくNetflixに入って、見たいものにお金を払って楽しむと言うエンターテイメントだ。だからこの山のサブスクは新しい市場を作ってくれるのか注目したいところだ。個人的もチャンスがあればトライしてみたい。