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食堂と教室。食堂は生徒数の増加に対応して本来はバルコニーだったところを部屋にしてしまったそうなので、オリジナルとちょっと違うようだが、雰囲気はそうは変わっていないだろう。
自分の通った学校と比べると(比べても意味がないが)単に機能的というかデザインのない実用本位の工業製品と 芸術作品の違いのようだ。公立学校と私立学校のかけているコストや運営の違いを超えて雰囲気デザイン性は別の物のようだ。コストは重要ではあるが、画一的な工場のような雰囲気ではない学校が、デザインということに少し注意を払えば大きなコストをかけずとも、今の日本でも十分実現可能なような気がするが、無理なのだろうか。日本人が安価な電気製品や車だけを作っていくのではなく、より高品質なデザイン性の高いものを作れる国になっていきたいとすれば、もう少しこの学校に見るようなデザインへの配慮があっても良いのでは思ってしまう。
しかし、財政再建とか効率化などもあり難しい問題かもしれない。そう言う意味で、自由学園の創立者がライトに設計を依頼したことはすごいことだと思う。
この項続く