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元の中国語の先生が上京して観光につきあう。元先生と言うのは北京にいた時に習っていたからだ。その後、彼は京都に留学していた。今や中国語の勉強をやめてしまった私には、若い中国人の友人で、元の先生。 二年間の留学を終えて帰国する前に、いくつかの都市に観光に行っているということだ。彼が最初に選んだのが広島で原爆ドームと慰霊祭、それから東京ということらしい。
彼はたくさん写真を撮って中国語でブログにしているらしいが、彼の読者である中国人の若者は日本の文化や風俗には興味はなく、原爆や政治などの話題に反応するそうだ。それが一般的なのかどうかは分からない。
金曜日は一日、官庁街の各省庁の写真を撮って歩いたというので、それが観光と言うのかどうか分からないと言った。なので土曜日は新宿をスタートに原宿、六本木、麻布十番、汐留、お台場、最後に新橋の居酒屋というルートで観光をした。北京で長く暮した彼には、二度目の東京ということもあるが、どこも珍しくないそうだ。唯一反応していたのが、お台場から見る汚い海。
二日酔いには炎天下の東京見物はつらく、途中でクーラーのきいた店で水分を補給しながらの道中。最後の新橋にようやくたどり着く。ビールを飲んで、日本の食事の高さと量の少なさの不満を聞く。あまりおいしいとも言わないが、食べてはいるのでまずくはないのだろう。
帰国して大手の新聞社への就職が決まっている彼の幸運を祈って何度も乾杯。