アメリカの大統領選挙は、まだ決着がついていない。ペンシルバニア、ノースカロライナ、ジョージア、ネバダ、アリゾナ、アラスカの6つの州で開票が続き、どちらが勝つも言えない僅差だ。6日まで郵便投票の到着を待つ州もあるので最終的な結果はもう少し時間がかかる。
開票も進んでいて、90%ほどまで来ているが、あまりにも僅差で、どちらかに当選確実を出すということができない状況だ。メディアによっては判断が分かれており、アリゾナはAPとフォックス・ニュースが、ずいぶん前にバイデン候補の当選確実を出しているが、その他の多くのメディアはまだ当選確実を出すには早すぎるとしている。いまの時点で、86%の開票でバイデン候補が7万票程度リード。
多くの州で、開票開始からトランプ大統領の得票が進み、バイデン候補が追いかけると言う図式になっていたが、これは開票が郡部から始まり、都市部は後回しになっていることから起こる現象のようだ。一般的に、トランプ大統領は中西部に代表されるような農村地帯や小都市で支持され、大都市ではバイデン候補の支持者が多い。同様に州の中でも中心部にバイデン候補支持が多い。
この傾向は両候補の政策の支持との関係もあるが、歴史的に共和党と民主党の地盤と言う事だ。また遅く到着する郵便投票は民主党やバイデン候補支持が多いと言う傾向にある。これらの状況判断から、バイデン候補が今は追いかけているが、ペンシルバニア、ノースカロライナ、ジョージアで逆転する可能性もあるとみられている。これが、当初から民主党が言っていた、赤い幻(赤は共和党の色)で、開票が進むと幻のように消えるとの主張の根拠なのだろう。
それらも含めて、過半数の選挙人270人獲得まで、もう少しと迫っているバイデン候補が優勢とみられているが、結論が出るまではまだ数日かかるようだ。
この大統領選挙の開票にメディアの関心が集まっているが、アメリカでは11月4日に新記録のコロナウィルス新規感染者10万7000人が出ている。1日の死者数も2600人を超えており、感染の状況はますます悪化している。これに加えて投票前後の人の動きや開票をめぐる人々のデモ等により、さらに感染が進んでいる可能性もあり、11月中旬にはもっと悪い状況になっていることも予想される。
ヨーロッパでも感染状況は深刻だ。イギリスは4週間のロックダウンに入り、外出禁止令が出ている。フランスも同様だ。ギリシャも今週末から全国的な規制を行うと発表した。イタリアも同様に北部を含む一部の地域でロックダウンを発表する模様。
日本では感染者数の桁が違うが、同様に収束する気配はなく、11月5日にはまた新規患者数が全国で1日、1000人を超えている。いよいよ寒くなってきたが、これからどういう状況になるのかわからず、不安な状況が続く。
できる事は、今までと同じようにマスク着用、手洗いと三密を避けることだけなので、春から続いていると同じような生活をするだけだ。週末に久しぶりに家族で外食をしたが、街には人が溢れ、店もどこも混雑していた。これが新しい生活様式だと言えばそうなのだが、これからも当分、同じような不安な暮らしが続く。