iPhoneのシェアが51.9%

by Shogo

今週発表されたIDC Japanの調査によると、2023年第4四半期の日本のスマートフォン出荷台数は828万台で、前年同期比2.4%減少した。ただし、四半期の販売で、2023年では初めて800万台を超えた。この僅かな回復は、主にAppleのiPhone 15シリーズの需要と見られる。

iPhoneは、市場全体の低迷にも関わらず、2023年間で51.9%とシェアを伸ばし、出荷台数は1558万台に達した。これは前年同期比5.1%減少だが、他の主要メーカーよりも好調だ。

もう一社、好調だったのは、Googleで、2023年に驚異的な成長を遂げ、市場シェアは10.7%に達した。これは前年同期の1.5%から大幅な増加となる。この成長は、Google Pixel 7シリーズの発売と、ドコモとの協力による販売網の拡大によるものとIDCは指摘している。Androidベースのデバイスは8.7%減少したなかで、Google Pixelのみが成長したことになる。

一方、日本のスマートフォンメーカーは苦戦した。シャープは10.9%のシェアで2位を維持したが、出荷台数は326万台に減少した。ソニーと京セラは、それぞれ100万台以上出荷台数を減らしている。

中国市場でのスマホ市場全体の動向を見てみると、違ったものに風景が見える。中国では、主にHuawei, OPPO, vivoなどの地元メーカーが市場を牽引しており、これらのブランドは技術革新と積極的なマーケティング戦略で高いシェアを獲得しているようだ。特にHuaweiは、独自の5G技術とカメラ機能を前面に出した製品展開で注目された。一方、OPPOとvivoは、デザインと手頃な価格設定で市場にで人気があるそうだ。

iPhoneも中国市場においても強い存在感を持っているが、Huawei, OPPO, vivoなどの地元メーカーとの競争は激しい。2024年の最初の6週間でiPhoneの販売は24%も減少し、このニュースはAppleの株価も大きな影響を与えている。

中国との比較で考えると、日本の国内メーカーにとって多くの課題がある。iPhoneやGoogleといったグローバルブランドが市場をリードする中、日本のメーカーは製品開発と市場での競争力維持に苦戦している。中国メーカーのような独自性や革新的な技術の導入ができていないのだろうか。日本のメーカーにも独自の強みを打ち出すことが求められる。

日本市場を考えると、iPhoneの圧倒的なシェアが大きな影響を与えていると思われる。このために、日本のメーカーの販売が振るわない。しかし、Google Pixelは、マーケティング力と独自の画像生成のアプリで人気をあつめているので、できないわけではない。資金力に物を言わせて広告活動も活発だ。

iPhoneの圧倒的な人気にはいくつか要因が考えられる。かつて言われたデザインや使いやすさは、Android陣営のSumsungを始めとするメーカーとの差はもはや無い。違いが残っているとするとブランドイメージだろう。

Appleは、洗練されたイメージと高い品質で知られるブランドであり、iPhoneは、そのブランドイメージを体現する。このことから、iPhoneを所有すること自体がステータスシンボルと捉える人も少なくないと考えられる。iPhoneの強さは、技術やデザインではなく、長年にわたって築き上げられたブランドだ。

そして、シャアが高いことから来る好循環だ。最初にスマホが普及した際に、多くの人がiPhoneを使い始めたために、多数派になったことが大きい。周りの家族や友人がiPhoneを使っている場合、同じiPhoneを選ぶことで、データ共有やコミュニケーションがスムーズになるというメリットがあった。

さらに、Appleのエコシステムとの統合も要因だろう。Appleの製品はMac、iPad、Apple Watchなどと緊密に連携することができ、使い勝手が良い。AirdropやiCloud使ってデータ連携が簡単だ。Androidデバイスはさまざまなメーカー間で統一が欠けている。ただし、Googleのみは、そのようなエコシステムを提供しているが、Appleに比べれば弱い。

このような状況を考えると。日本メーカーの未来は明るくない。シャープのようなニッチ市場を狙う以外に方法はないのかもしれない。かつての、携帯電話市場のメーカーの活発なマーケティング活動を考えると残念なことだ。

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