Amazonも衛星インターネットサービス

by Shogo

Amazonも衛星インターネットサービスを始めていたようだ。その名称は「Project Kuiper」だ。

Project Kuiperは、約100億ドル規模の低軌道衛星インターネットサービスだ。2023年2月に米連邦通信委員会(FCC)の承認を受け、3,236基の人工衛星による衛星インターネットのプロジェクトが始動している。イーロン・マスクのStarLinkへの対抗かと思ったが、考えてみれば、Amazonもロケットビジネスに参入している。

Amazonは、すでに2023年10月にプロトタイプ衛星2基の打ち上げに成功し、2025年4月28日には初の運用衛星27基を搭載した「KA-01」ミッションの打ち上げに成功したそうだ。現在、27基すべての衛星との通信が確立されており、段階的にサービスを拡大していく計画だという。

日本での展開は、NTTグループなどとの協業になるようだ。知らなかったが、すでに2023年11月に、NTT、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、スカパーJSATの4社がProject Kuiperとの戦略的協業を発表している。この協業により、KDDIがSpaceXのStarlinkとパートナーシップを結んでいるのに対抗する形で、日本の衛星インターネット接続市場に新たな選択肢となる。

事業スケジュールとしては、2024年後半からβテスト版サービスを開始しているようだ。これは、NTTとスカパーJSATが日本企業や政府機関・自治体向けにサービス提供することや山間部や離島など通信環境の確保が困難なエリアでの提供が行われている。ただし、現時点では一般サービスの予定は発表されていない。

これに対して、SpaceXのStarlinkは、よく広告も見るようになっている。すでに6,000万以上の契約者を獲得している。こちらは、パートナーのKDDIが2022年からStarlinkサービスを提供開始していることから、数年先行している。また、2025年5月からは「au Starlink Direct」として、スマートフォンと衛星の直接通信サービスも開始して話題になった。

報道によれば、日本の衛星通信市場は2024年に634億9,000万円、2030年には1,333億3,000万円に達する見込みだそうだ。Amazonがどこまで本気かわからないが、AmazonPrime会員向けの格安料金などを設定すれば、ある程度のインパクトはある。我が家も十数年も会員になっているが、今のところやめる予定はないので、Prime会員からというのは戦略的に正しいかもしれない。そうでなければ、山間部や離島でない限り衛星通信を使う動機がない。

それにしても、デジタル赤字の問題がある上に、通信インフラまでアメリカ企業に握られてしまう状況は、いささか問題かと思う。

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