古い話題だが、2025年5月31日、ミュンヘンのアリアンツ・アレーナで、インテル・ミランとパリ・サンジェルマンによるUEFAチャンピオンズリーグ決勝が開催された。
UEFAチャンピオンズリーグに名称が変更されてから33シーズン目の決勝戦であった。試合はパリ・サンジェルマンがインテル・ミランに5-0で勝利し、初の欧州カップタイトルを獲得した。
これは、1993年のマルセイユに次ぐフランスのクラブによる2度目の決勝優勝である。彼らの勝利は、主要な欧州男子クラブ大会の決勝において、最も大きな得点差での勝利であり、得点数で彼らを上回るのは1960年のレアル・マドリードによる欧州カップ決勝での7ゴールのみだ。このために、フランスは大騒ぎになり、死傷者や逮捕者が出る結果となった。それほど嬉しかったということだろう。
そこから、話題はUEFAチャンピオンズリーグの経済的価値に移っている。報道によれば、過去20年間で、チャンピオンズリーグのメディアおよび商業権の価値は5倍以上に増加したという。2003-04シーズンにはわずか5億6900万ユーロだったものが、2023-24シーズンには32億ユーロもの収益をUEFAにもたらしているそうだ。
UEFAが主催する他のクラブ大会、ヨーロッパリーグやカンファレンスリーグの収益と比較すると、CLの商業的優位性が際立っている。昨シーズン、これら2大会のメディア・商業権の合計収入は4億7800万ユーロで、CLのわずか15%に過ぎない。この数字からも、CLがいかにブランド力と経済的価値で突出しているかが明らかだ。
この成長は、サッカーが単なるスポーツを超え、グローバルなエンターテインメントビジネスへと進化したことを象徴している。
CLのビジネスモデルは、他のスポーツビジネスモデルと同じように、主に以下の2つの柱で成り立っている。それは、放送権とスポンサーシップだ。世界中の放送局やストリーミングサービスが高額で放送権を獲得し、UEFAに巨額の収入をもたらしている。そして、グローバル広告主がCLの公式スポンサーやパートナーとなり、広告やマーケティングを展開。大会の国際的な認知度とブランド価値を活用してマーケティングを行っている。これは、双方にとってwin-winの関係だろう。
UEFAチャンピオンズリーグは、スポーツの枠を超えた巨大なビジネスプラットフォームとして、今後もグローバル市場での影響力を拡大し続けるだろう。放送権やスポンサーシップによる収益構造、そして歴史的な瞬間やスター選手の存在が、CLの商業的成功を支えている。そして、サッカーと言うスポーツは、世界的なプラットフォームだからだ。