GoogleがGemini 2.5 Flashアップデート

by Shogo

GoogleがGemini 2.5 Flashのアップデートを発表した。

最も注目すべきは、トークン効率の劇的な向上だ。Gemini 2.5 Flashはアップデートで2倍のトークン効率を実現し、処理速度では5%のパフォーマンス向上を達成したという。

多くのAIモデルが高度化するにつれ、単位あたりのトークンコストは下がっても、推論処理に必要なトークン数が大幅に増加し、結果的に総コストが増加している。例えば、推論機能を持つモデルでは、標準モードに比べて1.6倍のトークン消費量となるケースもある。こうした中で、Gemini 2.5 Flashの効率化は画期的な改善といえるだろう。

また、今回のアップデートでは、応答フォーマットの大幅な改善が行われているそうだ。ヘッダー、箇条書き、表形式を駆使した情報配置により、複雑な情報もより分かりやすく表示されるようだ。

さらに、画像理解能力の向上も良いようだ。詳細な画像、図表、手書きメモまで解析可能となり、学生や専門職のワークフローでも直接使えるレベルに到達したらしい。

現在のAI市場では、Claude 3.5 Haikuが$0.25/100万トークン、GPT-4o-miniが$0.15/100万トークンという価格帯で競争している。Gemini 2.5 Flashの効率化により、同等の性能をより低コストで提供できる可能性が高まった。

実際の価格比較では、Gemini 2.5 Flashは$0.15/100万トークンで142-199トークン/秒の処理速度を実現し、Claude 3.7 Sonnetの$3.00/100万トークン・53トークン/秒を大幅に上回る価格性能比を示している。

日本のAI市場は2030年までに約1.8兆円規模に成長すると予測されており、Geminiの日本語処理能力の向上は特に重要な意味を持つ。日本語はトークン効率が英語より劣ることが知られているが、Gemini 2.5 Flashの効率化改善により、このハンディキャップが軽減される可能性があるという。

今回のGemini 2.5 Flashのアップデートで競争構造の変化が予測される。従来のChatGPT(62.5%)、Claude(4.5%)、Gemini(3.1%)という市場シェアがどうなるかだ。ただし、Geminiは日常的に使用しているから言えるが、Geminiはあまり感心しない回答が多い。

Gemini 2.5 Flashのアップデートは、AI競争が性能の向上から効率性と実用性の最適化へとフォーカスを移していることを意味している。単純な性能競争から、コストパフォーマンス、使いやすさ、実用性を総合した価値競争への転換点となるかもしれない。ただし、そのためには、Googleとしては、一度使ってもらいたいと思っているだろう。だからか、Geminiの広告に接触することも多い。

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