「冒険王」

by Shogo

飲んでいて話す話と言えば、おきまりの昔話と病気のことだ。最近、昔話は昔話でも、もっとずっと昔話になって思い出したことがあった。小学校に入るよりまえの話だ。

当時買って貰っていた雑誌に「冒険王」というのがあって、それについてくるおまけが好きだった。雑誌のおまけとといっても今のような女性誌のバッグとかではなく、厚紙でできたもので切り抜いて自分で車や船や劍などを作るものだった。このおまけが好きでよく遊んでいた。その後、小学生になってからは「学習」と「科学」についてくるおまけになった。むしろ面白かったのは「科学」のおまけだった気がする。これの記憶はずっと後まであって小学校の高学年まである。

さて、その「冒険王」だが、記憶は曖昧で何の漫画を読んでいたか思い出せない。いくつも漫画は思い出せても果たして「冒険王」で読んだか思い出せないのだ。かろうじて覚えているのは、本当は「少年」を買って欲しかったが、父が買って来たのは「冒険王」だったということ。なぜ「少年」を買って欲しかったかは思い出せない。多分、そちらに連載されている漫画の方が好きだったのだという想像なのだが、あまり当てにならない。4歳とか5歳のころの記憶なのではっきりしない。その当時の「冒険王」とか「少年」の連載漫画を調べてみたい。

漫画でいうと小学校の頃に「少年マガジン」かなにか週刊漫画雑誌が創刊されて、その創刊号を叔父に買って貰ったことは良く覚えている。中学生以降にある記憶は、すべて週刊漫画雑誌のものだ。

酔っぱらっていたりふとしたきっかけで記憶の断片が蘇ることがあるが、それが却って、その周辺の忘れた部分を浮き出して気になるということが良くある。昨日のことですら思い出せないのに半世紀も前のことを思い出すのは不可能だ。

そんな思い出せない時代は存在したのか、存在したのは認識できても思い出せないから人生の一部ではないのかと馬鹿なことまで考えてしまう。

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