色々なマイブームがしょっちゅう来るのだが、例えば写真はもう二年ほど続いているが、たいていは1週間とか1ヶ月だ。最新のマイブームは、また聴き始めたブルース・スプリングスティーン。最近のものは聞いていないが70年代から80年代にかけてのもの。ボブ・ディランの不調だった時期と重なる80年代に良く聞いていた時代のものだ。日本でも当時も人気が高く、その頃に来日公演もあった。でも、今考えるとバブルに沸く日本で、あの気分が本当に理解できていたのだろうか。日本なら今こそ、彼のあの時代の気分が分かるような気がする。
その時代のCDはみんな持っているが、良く聞いているのは、”The River”
イントロのハーモニカを聞いただけで涙がでそうだ。
でも一番好きなのは、長い語りの入っている”Live 1975-85″に入っているバージョン。彼の若い頃の話、彼の父親との関係に着いて語っている。その内容にはベトナム戦争というバックグランドが大きく関係していて、まさにその時代の若いアメリカ人の気持ちを反映している気がする。
“Born in the USA”や他の曲にしても、ベトナムの後遺症や景気後退、国内産業の空洞化、弱肉強食資本主義といった当時の アメリカの悩みを唄った物だ。彼以前の無垢なアメリカ賛歌ではなく、だからこそ70年代から90年代にかけて、それから多分今でも彼があれほど受け入れられた理由でもある。ボブ・ディランのやや難解な詩的な表現ではなく、ストレートに当時のアメリカ人の気持ちを唄っていたのだろう。今聞いているとさすがに時代を感じる内容だが、近年の復活と再度の景気後退を経てアメリカという国のある一面では今でも当てはまる。
Live 1975-85 (3 Cds in Double Jewel Case)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 1997/10/16
- メディア: CD
今日はこれから雨の中、遠出をするからこのCDを持って行こう。