Netflix広告付きプラン、11月3日開始

by Shogo

Netflixは、第3四半期に240万人以上の加入者を獲得して、全世界の加入者は2億2300万人となった。今年前半の半年で100万人を超える加入者を減らしていた状況から反転したことになる。

パンデミック収束で、株式市場全体の低迷はあるが、Netflixの株価は昨年1年間で60%も落ち込んで、投資家を呼び戻す必要に迫られている。その結果か、今年の初めに、Netflixを突如、長い間否定してきた広告モデルを発表した。追い込まれての、最後の手段的な感じがしたものだ。

そして、11月3日より広告付きの低価格のプランが開始される。アメリカでは6.99ドル、日本では790円だそうだ。広告は1時間に4〜 5分と言うことなので、日本の地上波の6分よりやや少ない。アメリカでは地上波で10分以上、普通のケーブルなら15分程度もあるので、Netflixは、アメリカでは広告がかなり少ないということになる。

これが果たして吉と出るか凶と出るのか。今の加入者が安い契約に変更すれば、売り上げが大きく下がることになる。日本では、今までの1番安いプランが990円だったから、これが200円安くなる。ただし、この広告付きプランは、今までの1490円のスタンダードプランと同じHDの高画質と言うことなので、スタンダードプラン加入者が、こちらに切り替えると半額程度になる。

これで果たして加入者が増えるかどうか。今まで990円で加入しなかった人が、高画質とは言え790円で加入することがあるのだろうか。多少疑問は残る。

日本国内のNetflix加入者は600万人と言われている。今後、広告付プランを選択する加入者がどの程度になるか読めないが、Netflixの配信であれば、視聴者の属性が明確なために、正確な広告のターゲティングができる。このために広告付プランの加入者がある程度になれば、広告収入は見込める。問題は、そのある程度の人数だ。HIKAKINのYouTubeでも1,000万人のフォロワーがいることを考えると、 100万人単位で広告付きの加入者が必要だろう。それには、しばらく時間がかかりそうだ。

しかし、テレビで、ファーストパーティ・クッキーを取り、その契約者のデータを他の端末まで追いかけられるようになれば、広告としての意味は大きい。問題は、やはり、ある程度の数だ。

それでも、広告付きプランで、今まで取り込めなかった加入者を獲得し、さらに広告収入を得るということを目指すのは良いが、それはNetflixの本来の経営戦略とは違うと思う。

Netflixが成長したのは、人気のあるオリジナル・コンテンツが理由だった。様々なヒット作が、話題となり、加入者が増えた。現時点でも、オリジナルで、ライアン・ゴズリングとクリス・エバンスが主演する「The Grey Man」や、人気シリーズの「Stranger Things」の続編も予定されている。やはりこのような話題になるような作品がないと、加入者離れは止まらないだろう。広告付きで月額料金が安いというのは、違っている。

個人的には、Netflixで最近はあまり見るものがないと思っており、止めて、Disney+でもしようかと考えている。だが、家族はそうでもないようだ。Amazon Prime VideoとNetflixに加えてDisney+の3つの契約をするのは、あまりにもお金の面でも、時間の面でも多すぎると感じていてまだ決められずにいる。それなら、Netflixを半額になる広告付きプランに替えて、そのお金でDisney+だろうか。こう考えると、加入者引き止めに、広告付きプランの意味がありそうだ

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