中国の自動車メーカーJACが、フォルクスワーゲンの支援を受けた新ブランド「Yiwei(イーウェイ)」から、世界で初めて量産されるナトリウムイオンバッテリー搭載の電気自動車を発売すると発表した。この電気自動車は2024年1月から発売される予定だ。
ナトリウムイオンバッテリーは、初めて聞いた単語だ。性能の高いバッテリーは、リチウムイオンバッテリーと思っていた。より新しい技術が開発されているようだ。
ソジウムイオンバッテリーは、リチウムイオンバッテリーと似た原理で動作する。正極にナトリウム含有化合物、負極にハードカーボンなどを使用し、有機電解液中をナトリウムイオンが移動することで充放電する。主な違いは、リチウムの代わりにソジウムイオンを使用するだけのことのようだ。ソジウムは地球上に豊富に存在し、低コストでありながらも、リチウムイオンバッテリーに匹敵する性能を持つことで、今後は、ソジウムイオンバッテリーが主流になる。しかも、低温時での性能が良いなどの利点があるので、性能は上と言って良い。
JACが発売するこの電気自動車、Yiweiに搭載される円筒型ナトリウムイオンバッテリーは、ヒナバッテリー社のものを使用している。JACは、このバッテリーをハニカム構造のモジュールに組み込んでおり、安定性や性能の向上を図っているそうだ。
Yiweiブランドの下で初めて市場に出るEVは、Sehol E10Xハッチバックをベースにしたモデルで、25kWhの電池を搭載し、一回の充電で約252kmの走行が可能という。急速充電機能も備え、短い時間で充電できる。長距離が可能で、低温でも強いことから、今のEVの欠点を解消する。
ソジウムイオン電池技術の普及は、環境への影響が小さく、資源が豊富な交通手段の選択肢を生み出す。特に、高価かつリチウム資源の枯渇が懸念される中、ソジウムイオンバッテリーは有力な代替手段となる可能性がある。
JACモーターズは、この新技術を用いて、より手頃な価格のEVを生産することを目指していると言う。今後は、EVの普及が急速に進むと思われるので、EVの価格を押し上げているリチウムイオンバッテリーが、安価なナトリウムイオンバッテリーで代替されれば、より低価格が実現し、普及がさらに進む。安価で高性能なJACモーターズはの車は人気になるだろう。実用品は、安価が常に正義だ。
ナトリウムイオンバッテリーの技術は、JACに独占されるわけではないだろうが、先鞭をつけたJACにのEVが世界中で売られるようになる日も近いだろう。