BlueskyはXに追いつくか?

by Shogo

分散型ソーシャル・ネットワークのBlueskyは、2024年2月6日にプラットフォームを一般公開して、初日に85万人以上の新規ユーザーが登録し、ユーザー総数は400万人を超えた。Blueskyは招待制のベータ版を約1年間提供してきた。2月6日にプラットフォームを一般に正式に公開するまでに、300万人強のユーザーを獲得している。招待が、400ドルの値段で取引されることもあり、一部では人気だった。特に2023年9月、イーロン・マスクがX(元Twitter)での認証に課金する計画を発表したことで、利用者と登録者が急増していた。

Blueskyはもともと、2019年に当時のTwitterのCEOジャック・ドーシーがTwitter社内のプロジェクトとして構想したものだ。その目的は、Twitterが最終的に採用できるソーシャルメディアのオープンプロトコル標準を開発することだった。しかし、ドーシー退任後の2021年、BlueskyはTwitterから分離して公益法人となっている。

Blueskyのプラットフォームは、Blueskyが開発したオープンソースのATプロトコルに基づいて構築されており、技術的なインフラの透明性を確保している。これにより、外部の開発者もBlueskyの上にサービスを構築することができる。

BlueskyのインターフェイスはXと似ているが、違いは、カスタマイズ性とユーザーコントロールである。Blueskyの方が圧倒的に自由度が高い。まず、ユーザーは異なるアルゴリズムを選択し、フィードの並び順をコントロールできる。

表示される投稿も自由に投稿のモデレーション設定できるので、投稿のカスタマイズも可能だ。さらに、オープンなシステムであるため、 開発者はBlueskyの上に自由にカスタマイズされたBlueskyを作成することができる。

Xはクローズのシステムなので、分散型ソーシャルメディアにおける競合相手は、Mastodonだ。Mastodonは現在、800万人以上の月間アクティブユーザーを抱えてトップを走っている。Mastodonは、ユーザーのデータを収集・販売しないことを強調していているので方向性はBlueskyと同じだ。Mastodonでは、オープンソースでユーザーは自分のサーバーを作成・管理することで完全な制御を持つことができる。投稿のコントロールをカスタマイズできるところは、Blueskyと同じ。

ユーザー数のXの競合としては、MetaのThreadsとなる。月間アクティブユーザー数は1億3000万人となっており、Xを追いかけている。これは、やはりMetaのFacebookやInstagramとの連携が大きい。だが、Metaが所有するプラットフォームであり、FacebookやInstagramと同様にユーザーデータを広告などの目的で収集・利用している。プライバシーを重視するならThreadsを選択しないということになる。

Xは、イーロン・マスクの買収により多くの変更が加えられれユーザーや広告主の離反があるが、それでもこの分野では最大のプラットフォームだ。Xは従来の広告モデルに基づいており、プラットフォームのコントロールは中央集権化されている。マスクの下での度重なる方針変更は、一部のユーザーからの批判や広告主の撤退を招き、プラットフォームの信頼性と収益性に影響を与えている。しかしながら、2022年の3億6840万人から減少したとは言え、2024年の月間アクティブユーザー数は3億3357万人とBlueskyとは二桁違う。Blueskyが追いつけるのか。ただし、ソーシャルメディは、ユーザーの離反が起こればオセロのように全体がひっくり返り、勝者総取りだ。さて、どうなる。

ただ、Blueskyのビジネスモデルは、まだ不明なために今後の展開が読めない。TheradsやXなどの多くのSNSは、ユーザーに無料でサービスを提供しつつ、広告を表示して収益を上げる。Blueskyは、ユーザーのデータを販売しないと明言しているので、広告モデルはない。そうなると、選択肢はあまりない。

まず、考えられるのは寄付やクラウドファンディングだ。。分散型プラットフォームやオープンソースプロジェクトでは、しばしばコミュニティの支援や寄付に依存することがある。

さらに、サービス提供者による収益化も考えられる。Blueskyネットワークの一部を構成する個々のサービス事業者が、独自の収益化戦略を持つ可能性がある。これには、サブスクリプションモデルや特化機能へのアクセス料が含まれるかもしれない。

似たような可能性は、外部利用者のAPI利用料だ。Blueskyは開発者が独自のアプリケーションを作成できるオープンソースプラットフォームであるため、APIへのアクセスに対して料金を設定することもできる。

最後に、広告に近くなるが、スポンサーシップ・モデルだ。特定の広告主や組織との提携によりスポンサー料として収益を上げることも考えられるが、この可能性は低いだろう。

今後、Blueskyのユーザーが増えると運営に多額の費用が発生するために、収益モデルの確率が、Xに追いつくために重要だ。

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