元TwitterのXは、イーロン・マスクのAIチャットボットのGrokを活用し、Xのプラットフォーム上でトレンドになっているニュースや会話のAI生成要約を提供する「Stories on X」という新機能を導入したと報道されている。現在はプレミアム会員のみが利用できる機能は、ユーザーがプラットフォーム上で、話題になっているトレンド情報を閲覧する新しい方法として考案されたという。
Grokは、ユーザーの投稿を基に、ニュースのコンテンツとX上の投稿内容の要約を組み合わせて、簡潔なテキストを生成するという。リアルタイムで数万件のツイートを分析することで、Grokは速報とX上の投稿から、ユーザーにトレンドのサマリーを提供できるという。Grokのビジョンは、「最も重要な情報源を引用しながら、最大限に正確でタイムリーな情報を提供する」ことだそうだ。そのビジョンのもとで、AI生成の要約はリアルタイムで更新されるという。だが、プレミアム会員でもないし、そもそもXにあまりアクセスしなのでどのようなコンテンツかわからない。
このトレンドを要約するという機能は、以前もXにはあった。Twitter時代に「モーメント」と呼ばれる機能がを導入されている。これは、重要なニュースやイベントに関するツイートをまとめる機能だ。しかし、モーメントは人間のスタッフに依存してトレンドに注釈を付け、コンテンツを作成していたが、Stories on XはGrokを通じてAIの力を活用する。
AI生成の要約には、多くのニュースや投稿を一瞬で読み込んで、トレンド見つけるというメリットがある一方で、正確性と複雑なイベントを正しく解釈する能力に関して、Grokには懸念があるようだ。報道では、Grokは、以前、バスケットボールの文脈で、NBAプレイヤーのKlay Thompsonが使った「レンガを投げる」というフレーズを誤解したために「破壊行為」に及んだと判断して記事を生成したことがあるそうだ。このような新しい口語的な比喩には、AIはまだついていけないのが現状だ。
これらの問題に対処するため、Grokの要約には、誤りの可能性を認め、ユーザーに出力内容の検証を促す免責事項が含まれているらしい。しかし、Grokに限らず多く生成AIチャットボットのハルシネーションと呼ばれるような現象で、すべての生成AIチャットボットには、そのような免責が書き込まれている。
XがGrokをプラットフォームに統合する意図が明らかなので、今後、この機能がどのように進化し、ユーザーがニュースに接触して、会話に参加する方法にどのような影響を与えるかは、今後のユーザーとの関わりで明らかになってくるだろう。。現在のStories on Xはプレミアム会員に限定されているが、イーロン・マスクのGrokへの取り組みを見ていると、GrokによるAI生成のコンテンツはもっと拡大するものと思われる。。
Grokを通じてリアルタイムのニュースと投稿を組み合わせるというアプローチは独特で、Xの強みを活かしつつ、新しいコンテンツが生まれる可能性がある。しかし、同時にAIの持つ潜在的なリスクにもさらされるだろう。Stories on Xは、正確性、タイムリーさ、ユーザーエンゲージメントのバランスが取れるのかが、この機能の成功にとって重要になるだろう。
