IFPI(International Federation of Phonogram and Videogram Producers、国際レコード・ビデオ製作者連盟)が、26カ国の43,000人以上のインターネットユーザーの調査データから「Engaging with Music 2023 Report」を発表した。
このレポートは、世界中の音楽ファンが音楽にどのように接しているかを調査したものだ。調査の結果は予想通りで、音楽配信サービスが主要なリスニング方法だった。レポートによると、ファンは平均して週に20.7時間、音楽を聴いており、主流はサブスクリプション型の音楽配信サービスを利用している。
ラジオもまた、依然として人気のある音楽配信手段であり、多くの人が好きなラジオ局を音楽のためにチューニングしていると答えている。ラジオについては、日本ではやや状況が違うかもしれない。日本では音楽専門局が存在しないからだ。
音楽を聴く時間全体の3分の1弱(32%)は、Spotify、Apple Musicなどのサブスクリプションと無料を含むオーディオストリーミングだった。2番目に人気の方法は、YouTubeやTikTokなどのプラットフォームのビデオストリーミング(31%)で、3番目に人気があったのは、ライブ放送、インターネットラジオ局を含むラジオでの音楽(17%)だった。
音楽形式別時間シェア
- オーディオストリーミング 32%
- ビデオストリーミング 31%
- ラジオ 17%
- 購入(CD, レコード、DVD、ダウンロード) 9%
- その他の形式(TV、Netflixのような映像配信) 7%
- ライブ音楽 4%
パッケージやダウンロードの比率は9%だが、これも日本の状況とはちがっている。日本では、2022年の日本レコード協会の統計によれば、オーディオストリーミングは34.2%だから、世界の状況とは違う。これは、日本人が所有欲が強いからだろうか。
ラジオが、音楽発見の重要な手段の一つと考えられているのは予想通りだ。ラジオで新しい音楽を発見したリスナーは31%だ。面白いのは、ソーシャルメディアやミュージックビデオも音楽発見に大きな影響力を持つということだ。特にショートフォーム動画アプリの音楽発見における重要性が高まっているようだ。TikTokを音楽発見に利用しているリスナーは49%だ。これも予想通りといえば、そうだが、その比率は思ったより高い。
メディアは、動画化が急速に進んでおり、そこでは音楽は不可欠だから、今後はさらに音楽のインターネット化が進むのだろう。