Metaは、7月にLlama 3.1と呼ばれるLlama人工知能モデルの最新バージョンを発表している。最新のLlamaには3つの異なるバージョンがあり、そのうちの1つのバリエーションは、最大かつ最も有能なAIモデルだそうだ。また、以前のバージョンのLlamaと同様に、最新モデルもオープンソースであり続け、無料でアクセスできる。
Llama 3.1モデルファミリーの最大のバージョンは、Llama 3.1 405Bと呼ばれる。この LLM には 4050 億のパラメータが含まれている。これは、他のLLMと比べても遜色ない性能を持つと言われる。
商用のGPT-4oの正確なパラメータ数は公開されていないが、GPT-3の約1750億、GPT-4の約5000億(推定)を大きく上回ると見られている。ただし具体的な数値は明らかになっていない。Claude 3.5 Sonnetも正確なパラメータ数は公表されていませんが、700億という噂がある。これを見ても、Llama 3.1 の性能は、 4050 億のパラメータがあり競合商用サービスに匹敵する。だから性能は良さそうだ。使っていないからなんとも言えないが。
実際に、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetなどの商用モデルと肩を並べる性能を発揮することは確実のようだ。ネットで公開されている、多くのベンチマークで明らかになっているように、他社モデルLLMと競合できるレベルにあるとされる。
Llama 3は、要約、多言語会話、コーディングアシスタントなど、高度で多様な業務に対応可能なことで、これは競合と同じだが、最大の特徴はオープンソースで無料利用可能なことだ。だから、商用モデルと比べて大幅なコスト削減が見込める。すでに、AWSやGoogle Cloud、Microsoft Azureなどのクラウドベンダーで提供開始されており、商用モデルよりも50%のコストカットが可能とされている。
Llamaのオープンソース化は、企業や社会に影響を与えている。AIやシステムの開発者は誰でもこの強力なAIモデルを自由にダウンロードし、使用できる。OpenAIのGPT-4やAnthropicのClaudeなど、他の大手モデルは使用料を払ってAPI経由でのみアクセス可能だが、Llamaはこれに対し、コード自体が公開されており、直接利用やカスタマイズが可能だ。
開発者がLlamaをベースに新しいアプリケーションやソリューションを開発することで、AIの実用化が進み、これまで困難だった課題の解決や、新しいビジネスの創出が期待される。例えば、企業が自社のデータに特化したAIモデルを作成する際に、Llamaをベースにすることで、開発コストを大幅に削減できる。また、MetaはAWSやGoogle Cloud、Microsoft AzureなどのクラウドベンダーやNvideaも協力して、利用を促進している。これにより、規模の大小を問わず、多様な企業が高度なAI技術にアクセスできるようになった。
このオープンソースで利用できるメリットは、費用の面だけでなく、企業の自社データや機密情報を外部に出すことなく、Llamaをベースにした独自開発のAIによって処理できるということが大きなメリットだ。
しかし、Llamaのような強力なAIモデルがオープンソース化されることにはリスクも伴う。悪意のある人物や組織が、この技術を悪用する可能性があるためだ。例えば、フェイクニュースの生成や個人情報の不正利用、さらには高度なサイバー攻撃やテロにAIが利用されるリスクがある。実際にAIの普及後にサイバー攻撃も高度化してきているようだ。
このため、Llamaのオープンソース化による社会的影響を最小限に抑えるためには、政府や規制機関が一定の監視と規制を行う必要があるという意見がある。MetaはLlamaの利用に対していくつかの制限を設けているが、これが十分かどうかは今後の課題だ。Llamaに破ることのできない安全装置を組み込むことが考えられるが、オープンソースだから、それも難しい。ここが、大きな課題として残る。
Llamaのオープンソース化は、AI技術が一部の企業や機関に独占されることへのアンチテーデだ。この動きにより、より多くの人々がAI技術を利用し、新しい価値を創造する機会が与えられた。しかし、その反面、技術の悪用や規制の必要性という課題も浮き彫りになっている。オープンソースAIの未来は、どのようにこの強力なツールを管理し、活用するかにかかっている。