Googleが、WorkspaceのBusinessとEnterpriseプランのAI機能の料金を無料化すると発表した。これまで月額20ドルで提供されていたGeminiアドオンが廃止され、AI機能が標準搭載されることになる。これは、結構なAIの大盤振る舞いだ。
この無料化の背景には、AIの急速な普及と競争激化が考えられる。Googleは、AIサービスの競争環境下でGoogleの最新モデルであるGeminiAIの利便性を体験してもらうため、料金体系を見直し、AI機能を無料化したと考えられる。
しかし、AI機能の無料化に伴い、Workspace BusinessとEnterpriseプランの料金が改定される。Google Workspaceに搭載されるAI機能は、Geminiを基盤としており、様々なアプリケーションで利用できる。
2025年1月16日以降、Workspace BusinessとEnterpriseプランの価格が改定された。
- Businessプラン: 月額2,260円~(年間契約の場合)
- Enterpriseプラン: 月額3,400円~(年間契約の場合)13
Gmail:
- 自動返信、下書き作成、メール要約
- 重要なメールのスレッドを要約
- 過去のメールから情報を検索
Docs:
- 文書の要約、アウトライン作成、アイデアのブレインストーミング
- 文法や表現の修正、書式設定の提案
- カバー画像の自動生成
- ブログ記事、プレスリリース、キャンペーン概要などの文書作成
Meet:
- 自動議事録作成、議事録の共有
- 参加者が複数台のPCから参加してもエコーやハウリングが発生しない「アダプティブオーディオ」
- 多言語対応のリアルタイム字幕
Drive:
- 複数ドキュメントの要約、特定トピックに関する洞察の生成
- ファイル検索の支援
- PDFファイルの要約、洞察の生成、PDFからの情報抽出
- 機密ファイルの自動分類、ラベル付け
Sheets:
- 表の作成、スプレッドシートデータに基づく洞察の生成
- 関係性に基づいた入力候補の提案
Slides:
- プレゼンテーション用画像の生成
- 画像の背景削除
- スライドの自動生成、コンテンツのリライト
Chat:
- 未読会話の要約
- 会話内容の要約、アクションアイテムのリスト化
Gemini Advanced
さらに、次世代AIであるGemini Advancedも利用可能になる。Gemini Advancedは、情報収集、アイデアのブレインストーミング、複雑なプロジェクトの処理などで高い能力を持つ。また、Gemsと呼ばれるAIエキスパートチームを構築し、反復的なタスクや専門的なタスクを支援することもできる。
個人向けサービス
今回の変更では、個人向けGeminiサービスは変わらない。引き続き、個人ユーザー向けには、「Gemini」とその上位版「Gemini Advanced」が提供される。
無料版(Gemini)
- 基本的なテキスト生成や翻訳機能が利用可能。
制限付きながらも無料で利用できるため、初めてAIを試すユーザーに最適です。
有料版 Gemini Advanced (Google One)
- より高度な機能と高速処理を提供。
月額2,900円(税込)で利用可能。
特に複雑なプロジェクトや大量データ処理に適しています - Google Oneは、Google Drive、Gmail、Googleフォトなどのストレージ容量を増やすことができるサブスクリプションサービス。Google Oneプランでは、AIによる写真編集機能などの特典も利用できる。
今回の発表では、Workspace for Education、Workspace for Nonprofits、Frontline、Essentials、Enterprise Essentials、Workspace Individual、個人アカウント(Google One AI Premiumを含む)は今回の変更の影響を受けないと明記されている。
つまり、Google OneのAI Premiumプランは引き続き有効で、Workspaceとは別に、個人ユーザー向けのAIサービスとして提供される。WorkspaceのAI機能は、ビジネスユーザーを対象としたサービスであり、Google OneのAI Premiumプランとは異なるものだ。
Googleは今後、さらに多くのAI機能をWorkspaceに導入すると思われる。競合サービスへの対策で、それらのサービスも無料で提供される可能性も高い。