Xも縦型動画に参入

by Shogo

ビジネスにおいては競争相手の問題は大きなチャンスになる。トランプ大統領の介入でTikTokの停止は半日で終了した。しかし、まだ、TikTokの未来は不透明な状況だ。これをチャンスとして、競合会社のソーシャルメディアプラットフォームはTikTokの支配していたユーザーや領域の取り込みに腐心しているようだ。

1月17日金曜日に、米国連邦最高裁はバイデン政権によるTikTokの禁止を支持した。これは、アプリが1月19日日曜日に停止することを意味した。そして、アプリは一時的に停止し、ユーザーは「米国でTikTokを禁止する法律が制定された」という表示を見ていた。しかし、トランプ大統領が、見直し期間を90日延長すると発言したことを受けて、TikTokが復帰した。そして、一時は消えていたTikTokのアプリも、AppleのApp StoreやGoogleのGooglePlayからダウンロードできるように戻っている。

ドナルド大統領は、就任直後に多くの大統領令を出すと見られていたが、すでにパリ協定の離脱や国境警備の強化と軍の配置などの大統領令については報道されている。

今後、TikTokの見直しの90日間の延長も出されるのであろうが、まだ報道はされていない。だが、最終的な判断がどうなるかも、気まぐれに思える大統領のことを考えると誰にもわからない。

もし最終的に、トランプ政権下でもTikTok 禁止法が支持されれば、アメリカからの撤退という選択肢を除けば、アメリカで生き残るためには親会社のByteDanceは、TikTokの米国事業を売却する必要がある。500億ドルとも評価されれている企業の買収は簡単でないだろう。MicrosoftやOracleなど多くの噂が流れてきたが、今回はPerplexity AIが合併を申し入れたと報道されている。確かに。これは面白い組み合わせだ。

いずれにせよ、不透明な状況下で、TikTokか切り開いた縦型短尺動画の市場を狙う企業が次々と行動を起こしている。まず、X(Twitter)も縦型動画市場に参入した。1月19日日曜日、Xは、新しい垂直動画タブを発表し、「縦型動画の新しいホーム」と呼んだ。

新しい垂直動画タブは、アプリのボトムバーにあるコミュニティアイコンを置き換えるようだ。現時点では、新しいタブは米国のXユーザーに限定されており、今後の拡張については何も発表されていない。さらに、新しいこのタブはプラットフォームのモバイルアプリでのみ利用できるという。Xは、ByteDanceのTikTokとLemon8を取り巻く不確実性にチャンスを見出して、TikTokに取って代わることを狙っているのだろう。

また、昨年にユーザー数を急拡大したBlueskyも、動画機能を発表している。これも、縦型動画で、ユーザーはタイムラインで動画投稿のみをスクロールすることで、TikTokのように動画を見ることができるという。

TikTokの禁止は、ByteDanceの写真共有アプリLemon8、オンライン動画編集アプリCapCut、ビデオゲームMarvel Rivalsにも影響する。そこを狙って、Metaは、CapCutのライバルとして、縦型動画編集アプリのEditsを発表した。これも、TikTokが禁止された場合に、その空白領域にビジネスの拡大を狙う動きと言える。資本主義社会は、食うか食われるか、逞しく恥のないものが生き残る世界だ。

You may also like

Leave a Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: Content is protected !!