iPhoneがStarlinkと連携

by Shogo

Appleが最新のiOSアップデートで、T-MobileとSpaceXが提供するStarlink衛星ネットワークへの対応を発表した。これにより、iPhoneユーザーは従来の携帯電話ネットワークの圏外でも、Starlinkの衛星経由でテキストメッセージを送受信できるようになる。

Starlinkは、イーロン・マスクのSpaceXが構築している低軌道衛星網だ。従来の衛星通信と比べて遅延が少なく、高速なインターネット接続を提供できるのが特徴だ。ロシアに侵略されているウクライナ政府に提供されていることでも有名だ。

今回の連携により、iPhoneユーザーは、山間部や海上など、携帯電話の電波が届かない場所でもStarlinkの衛星に接続し、テキストメッセージを送受信できるようになる。

衛星携帯電話は以前よりあるが、今回の提携で普通のiPhoneが衛星通信を行えることが画期的だ。今までは大きなアンテナを持つ専用端末が必要だった。これにより、通信の空白地帯を解消することができる。自動運転やドローン配送など、従来は通信環境の制約で実現が難しかったサービスが、Starlinkのネットワークを活用することで実現に近づく未来が見えてくる。

現在のところ、Starlinkとの連携で利用できるのはテキストメッセージのみだが、将来的には音声通話やデータ通信にも対応する予定だそうだ。また、Starlinkのネットワークは、動画ストリーミングやオンラインゲームなど、より大容量のデータ通信にも対応できるよう進化していくことは確実だ。

現時点での問題は、コストだろう。Starlinkのサービスを利用するには、専用の料金プランに加入する必要があり、これがすぐには安くはならないと思われる。また、衛星通信は、従来の携帯電話通信と比べてセキュリティリスクが高い可能性がある。Starlinkのネットワークは、サイバー攻撃や盗聴のリスクにさらされる可能性があるだろう。

しかし、電波を届かせるという意味では、衛星通信は重要なインフラになることは確実だ。高速大容量などの利点がある地上の通信インフラを置き換えることは無理だろうが、今後は、地上インフラと衛星通信を組み合わせたハイブリッド型ネットワークが主流になると考えられる。

すでに、KDDIなどはStarlinkをバックホール回線として活用し、離島や山岳部で基地局を設置する試みを進めている。これにより光ファイバー敷設が困難な地域でも安定したモバイル通信を提供することができるようになる。

またしても、自前で衛星を打ち上げることのできる、イーロン・マスクの事業が社会の仕組みを変えることになるかもしれない。そういえば、言論の自由を推進したということでノーベル賞の候補になったというニュースも読んだばかりだ。

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