C2PAとCAI

by Shogo

生成AI技術の進化は、ネット行動を変え、便益を生み出しているが、新たな問題を生み出し始めている。それは、著名人を含む他者の画像や声を、犯罪や悪意のある行為のために生成できるようになったことだ。このようなディープフェイクと呼ばれるような行為や著作権の侵害が、すでに問題になり始めている。

このような問題に対応するために対策が導入されている。それは、C2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)とCAI(Content Authenticity Initiative)だ。これらは、AIによるフェイク画像対策と著作権侵害防止のための重要な取り組みだ。これらの技術は、デジタルコンテンツの信頼性を高め、透明性を確保することを目的としている。

C2PA オープンスタンダードとしての役割

C2PAは、デジタルコンテンツの来歴と認証に関する技術仕様のオープンスタンダードだ。これは、画像、ビデオ、音声などのデジタルファイルにメタデータを付与し、その作成者、編集履歴、およびその他の関連情報を提供する。重要なのは、C2PAが業界全体で採用されることを目指しており、多くの企業や団体がこの規格をサポートしている点だ。これにより、異なるプラットフォームやソフトウェア間での互換性が確保されることになる。

CAI  実装と普及を推進

一方、CAIはAdobeが主導する取り組みであり、C2PAの技術仕様を実際に実装し、普及させることを目的としている。CAIは、C2PAの標準に準拠したツールやプラットフォームを提供し、コンテンツの作成者が信頼性の高いメタデータを添付できるようにする。Adobe製品、特にPhotoshopやFireflyなどのクリエイティブツールにCAIの機能が組み込まれており、コンテンツの作成・編集時に来歴情報を付加することが可能となっている。

ここで、C2PAが「規格」であり、CAIがその「実装」であるという関係性を理解することが重要だ。この連携により、デジタルコンテンツの信頼性を検証するためのエコシステムが構築され、画像の来歴をトラッキングするために使える。この技術を使って、特にAIによって生成されたコンテンツの信頼性を検証することができる。例えば、AI生成画像には、その生成に使用されたモデルや編集履歴などの情報が付与され、消費者はその画像の出所や信頼性を確認できる。

NHKなどの報道機関もこの技術に注目しており、報道コンテンツの信頼性を担保するために、C2PAを通して撮影・編集・配信の順でコンテンツに来歴情報を付与する方法を検討しているそうだ。すでに、Adobe Firefly から書き出した画像には、自動的にコンテンツ認証情報が付加されるため、CAI が提供している検証サービスにアップロードすると、「この画像は AI ツールで生成されました」とアドビが署名したメッセージが表示されるという。

著作権保護への貢献

また、これらの技術は著作権保護にも役立つ。コンテンツの作成者情報を明確にすることで、著作権侵害の追跡や防止が容易になる。

C2PAとCAIは、デジタルコンテンツの信頼性向上に向けた重要なステップだが、すべての生成AI開発会社が採用しないと意味のないものにる。今後の課題としては、より広範な普及、技術的な課題への対応、そしてユーザーの認識向上が挙げられる。

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