Adobe Fireflyが他社のAI画像モデルと連携

by Shogo

画像生成AIの分野は競争が激化しており、各社が独自の強みを持ったモデルを開発している。そのため、多くの人がたくさんのモデルを試しているのが今の状況だろう。しかし、それが最高なのかは誰にもわからない。だが、Adobeが多くのモデルを選択することの出来る機能を持ったFireflyの新モデルを発表した。

2025年4月26日、Adobeはロンドンで開催されたAdobe Max Londonにて、AIを活用したコンテンツ作成アプリFireflyに複数の新しいモデルを追加したことを発表した。驚くべきことに、その中にはGoogleやOpenAIといった競合他社の画像生成モデルも含まれている。さらに、Firefly自身の最新世代の画像および動画生成モデルも同時にリリースされた。

進化したFirefly Image Model 4とFirefly Image Model 4 Ultra

Adobeによれば、Firefly Image Model 4は、これまでで最も高速かつコントロールが容易で、リアルな画像生成が可能なモデルだという。最大2Kの解像度で出力でき、カメラアングル、ズーム、速度の制御機能と組み合わせることで、高品質な画像を生成できるそうだ。

一方、Firefly Image Model 4 Ultraは、複雑なシーンや微細な構造など、非常に高いディテールとリアリズムが求められる画像の生成に優れているという。リアルな画像を最大2Kの解像度で生成でき、構図、スタイル、カメラアングルを自在にコントロールする機能を提供でき、かつ商用利用が可能という大きなメリットが有る。

Firefly Video ModelとVector Modelも正式版へ

パブリックベータ版として提供されていたFirefly Video Modelも正式版となり、一般に利用可能になった。テキストプロンプトや画像から、カメラアングルや映画のような動きといったカスタマイズツールを使って、高品質な動画クリップを生成できる。

さらに、テキストからベクター画像を生成するFirefly Vector Modelも正式版としてリリースされた。これは、デザイナーなどのプロにとっては朗報とだろう。

商用利用も安心なFirefly

これらの新しいビデオモデルを含むFireflyのモデルファミリーは、商用利用においても安全であり、知的財産権を侵害しないコンテンツのみを生成することが保証されている。これは、OpenAIなどの競合他社に対するAdobeの大きな競争優位性だ。Adobeによれば、Fireflyモデルファミリーは、画像と動画を合わせて全世界で220億を超える画像・動画を生成しているという。

パートナーモデルとの連携

やはり、最大のニュースは、ユーザーに最適なモデルを柔軟に選択できるよう、Fireflyアプリは新たに、他社の画像生成モデルを統合したことだろう。

  • OpenAI GPT画像生成
  • Google Imagen 3
  • Google Veo 2
  • Flux 1.1 Pro

Adobeは今後数ヶ月以内に、fal.ai、Ideogram、Luma、Pika、Runwayといったさらに多くのパートナーのモデルを追加する予定だという。これで、一つ一つの画像生成モデルと契約する必要がなく、多くのモデルを使って、最適なアウトプットを利用できる。生成AIはガチャの要素があるから、トライアルの回数や多くのモデルを使ってみることが必要だから、多くに人には朗報だろう。

各モデルの強みを活かす

最近リリースされたOpenAI GPT-4o画像モデルは、高品質でリアルな画像の生成に優れている。特に注目すべきはその競争優位性であり、ほとんどのモデル(Adobe Fireflyを含む)が苦手とする、画像内のテキストを正確に生成する能力を持っている。それは、文字を正しく生成できることだ。この機能を利用できることは、状況に応じてモデルを切り替えることの利点を示す好例と言えるだろう。

透明性の確保とエンタープライズ向けの管理機能

Adobeは、どのモデルがどの企業のものかを利用時に明確に示している。これは、一部のユーザーがAdobeモデルの提供する商用利用における安全性を重視しているため、特に重要だ。エンタープライズの顧客は、著作権リスクを避けるために、組織内でパートナーモデルの使用を有効または無効にするオプションを選択できる。

コンテンツ認証による信頼性の向上

さらに、Adobeのコンテンツ認証機能は、デジタルコンテンツの「由来表示」として機能し、作成者の名前やコンテンツ作成に使用されたツールなど、画像の重要な情報を自動的に付加しする。これは、プラットフォーム上のどのモデルを使用して作成された画像にも適用される。

アクセス方法

Firefly Image Model 4、Firefly Image Model 4 Ultra、Firefly Video Modelを含むすべての新しいモデルは、ウェブ上のFireflyを通じて一般に利用可能だという。Fireflyは現在ウェブ上でアクセス可能であり、iOSおよびAndroid向けのモバイルアプリも近日公開予定だ。このウエブ版は、すでに日本からでも利用可能になっている。

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