FacebookとInstagramが「いいね」を隠すテストを始めると言う。Instagramでは4月14日からすでに始まっており、Facebookはもうすぐ始まる予定のようだ。
この「いいね」を隠すテストのオプションは、2種類あり。1つは他人のタイムラインで「いいね」の数を隠すこと。もう一つは、自分の投稿の「いいね」の数を自分が見えないように隠すこと。
実はInstagramは2019年にも同様の実験を行っている。今回は、当初カナダ、ブラジル。オーストラリアアイルラン、ドイタリア、日本で実験を開始し.ている。数週間後に世界展開するようだ。その時点でFacebookでも同様に「いいね」を隠すテストが始まる。
親会社のFacebookは、「いいね」を取らなければいけないと言うプレッシャーを和らげることができるかどうかをテストすると言う。
「いいね」を隠すことについては、2つの考え方がある。プレッシャーから解放されてメンタルヘルスを改善すると言うこと。一方で自分の投稿の反響を知りたいと言う意見もある。Facebookとしてはこの2つのオプションをユーザがどのように選ぶのか反応を見ると言う考えのようだ。
この「いいね」については、ソーシャルメディアを使う大きな要因になっていると考えられている。「いいね」を得ることで、自らに備わっている心理的な報酬システムが機能して、気分が良くなると言う。この時にドーパミンが分泌されているようだ。これが食事やギャンブルのように中毒性を持ち、ソーシャルメディアを常にチェックするような行動をもたらす。
どれぐらいの「いいね」を得ているかが常に気になり、何度もソーシャルメディアをチェックすることとなる。アメリカの統計ではInstagramのユーザは1日53分をInstagramのチェックに費やすと言う。
日本においても、総務省の統計を見ると、スマートフォンを使う時間の中で、ソーシャルメディアのチェックの時間が1番長い。これは「いいね」のような反応を見るために費やされていると考えられる。どれくらいの「いいね」の数を得たかチェックせずにいられなくなっている。この報酬システムのおかげで中毒性を持ち、ソーシャルメディアの利用時間の長さの要因となっている。
一方で、Facebookが実験を開始したように、たくさんの「いいね」を取らなければいけないと言うプレッシャーがあり、それが講じると最終的には「バーン・アウト」状態になって、ソーシャルメディアから逃避するような行動も生まれる可能性がある。Facebookが恐れているのはそのようなことなのだろう。
だから今回の2つのオプションによって、「いいね」のプレッシャーから解放して、メンタルヘルスを改善しFacebookやInstagramを使い続けてもらいたいと言うことがテストの目的と思われる。
ただし、先に述べたように、長い時間かけて、何度もチャックする人が多いことから、広告収入の増加に繋がっていることもあり、会社の収益に影響も与える。それが、2109年にテストしたが、そのオプションを継続しなかった理由とも思える。