身の回りに電気を使うモバイルの様々な機器が増えてきた。まず、スマートフォンだが、スマートウォッチやタブレット、ワイヤレスイヤホンなどが代表的なものだろう。これを時々充電するのが我々の日常生活の中で重要な仕事になっている。
置くだけで充電ができるQi(チー)と言う非接触充電の充電規格があり、これを使えばケーブルの抜き差しがなく、簡単に充電ができる。もうしばらく前から実用化された規格だが、対応している機種が少ないから使っている人も少ない。あまり使われない理由はたくさんあるのだろうが、充電が遅いというのが決定的な理由のようだ。
身の回りのモバイル機器は常時使うものだから、なるべく早く充電が完了してもらいたいと思う。そのためにはケーブルの抜き差しはあまり気にならない。むしろ時間の方が重要だ。
これを解決する充電の記事が日経に出ていた。ソフトバンクが携帯電話の基地局を使って無線で電気を飛ばす充電技術を実用化すると言う。この技術により、様々な機器の面倒な充電を解消してくれるかもしれない。この技術については、総務省が規制を緩和することから、近日中に実証実験を始めて事業化されると言うことだ。
この無線による給電システムは、5Gと同じ高周波帯域の電波を使って電気を送るそうだ。人体への影響を考慮して、当初は1ミリワット程度の小さな電力を半径10メートルの範囲に飛ばすと言う事だ。
これでは使える人が限られていて、とても事業化できないと思うが、将来は100メートル程度までこの距離を伸ばせると言う。それでも、5Gの基地局が数百メートルから1キロメートル程度に配置されると言うことなので、この給電システムの電波が届かないところがたくさんできる。たまたまその範囲内に自宅や職場があれば、モバイル機器に充電できるがそうでなければあまり役に立たない。
ソフトバンクが実用化すると言うのは、自社の5Gの基地局周辺及び希望する事業者に対して新たに基地局を設置して対応すると言うことなのかもしれない。
人体への影響を考えて、反対する人が出てくる気がする。そういう意味で実用化までは、時間もかかるし様々な問題が出てきそうだ。でも、実用化されれば、給電電波範囲内にしばらく滞在すれば充電できているというようになり、充電の日常作業から解放される。