YouTubeとMLBが、2022年シーズンの15試合を無料ライブ配信することを発表して、MLB Game of the Week Live on YouTubeは4年目に入ることになった。2022年の最初の試合は5月5日(日本時間5月6日)からだ。この配信は、64.98ドル支払わなければいけないYouTube TVのMLB配信とは別である。
MLB Game of the Week Live on YouTubeは、どのYouTubeの視聴方法でも見ることができ、182カ国で提供される。これは想像だが、このYouTubeのライブ配信についてはYouTubeは放送権料を支払わないのだろう。MLBにとってもレギュラーシーズンの15試合で平日の昼間の試合であるために、特に放送権とのバッティングも少ないと思うと思われる。
YouTubeのMLBのチャンネルは登録者が現時点で342万人である。野球と言う世界的にはマイナーなスポーツであることを考慮しても、登録者数はあまり多くない。これは、MLBは既に有料のチャネルMLB.TVを持っているので、ファンはこの無料チャンネルではなく、既に他のMLBのアクセス方法がある。また、他の有料配信サービスや無料のテレビ放送もあり、必ずしもYouTubeに依存する必要は無い。
ちなみに、日本からこの無料のYouTubeのMLBチャンネルにアクセスできるし、有料のMLB.TVの契約もできる。MLB.TVの年間契約料は、全球団パッケージが139.99ドル、特定の1チームのパッケージが119.99ドルだ。この値付けが絶妙である。例えば大谷翔平のアストロズの契約を119.99ドルでするのであれば、あまり見なくても、今年であれば鈴木聖也とか他の日本人選手を見るためにあと20ドル払って全チームのパッケージを139.99ドルで買おうと言うふうになる可能性が高い。まさに値付けの妙である。もちろん価格だけ考えれば、MLB.Tでなくても、日本に選択肢はたくさんある。
日本から、このYouTubeのMLBチャネルとMTB. TV以外にもたくさんの視聴方法があるのは事実である。まず無料で見られるNHKの放送があり、有料になると選択肢は多い。J Sportsに登録する方法があるし、インターネットライブ配信では、AMEBA、Hulu、SPOTV NOWとたくさんの方法がある。
MLBは30チームあり年間162試合も行うので、試合はレギュラーシーズンだけで2430試合だ。これを各放送局やインターネット配信サービスに割り振るのは簡単なことだ。アメリカでは、YouTube TVやMLB.TV以外にも、Hulu、peacock、fuboTV、sling TV、AppleTV+、DIRECTV streamと選択肢は多い。
やはり視聴者が1番多いのが、その試合の両チームの地元であるため、地元のテレビ放送局がメインとなる。それ以外の地域のファンのためにはインターネット配信が向いている。だからこれほどたくさんのサービスが入り混じってコンテンツとして取り扱っているだろう。
YouTubeに話を戻すと、YouTubeは放送権を払ってプラットホームのプロモーションを行いたいと言うよりも、MLBがYouTubeを利用したいと言うことであろう。長年MLBはファンの高年齢化に苦しんでいるために、若いファンをYouTubeで取り込みたいと言う戦略と思われる。MLBにとっては、世界戦略の一環としても、全世界20億人と言うYouTubeの月間アクティブ利用者は魅力的であろう。そのようなことを考えるとMLB Game of the Week Live on YouTubeは4年目だが、今後も続くことが予想される。