週150分の運動で十分

by Shogo

どの程度の運動が健康のために必要かと言う事について、長い間議論がなされている。これについては、1つの参考になるガイドラインがある。それは2008年に、運動と健康の関係を研究した科学者たちがまとめた「アメリカ人のための運動ガイドライン」である。これをさらに、その後の研究を含めて、2018年にアップデートされたものが発表されている。これが現時点における、科学的な研究と証明に基づく、健康に必要な運動の量についての定説となっている。それによれば、週に150分の中程度の運動か、激しい運動であればその半分の75分が必要だそうだ。

これは個人的な感覚からすると、少し少なすぎるような気がする。個人的には毎朝1時間、早足で歩くので、週に400分を超える運動していることになる。それでも少ないかと思っていた。

しかし、ガイドラインを作った研究者によれば、週150分を分けて、30分の中程度の運動5回行うことで、心不全、脳卒中、糖尿病、いくつかの種類のがんを防ぐことができると言う。その根拠は、2020年に、4カ国で行われた研究である。研究対象者は44,000人での男女で、運動する人、運動しない人にグループ分け、病気の発症を調べた結果である。この研究の結果から、週150分の運動の有効性が証明されている。

ここで言う中程度の運動だが、これについても研究者は定義を行っている。運動を1から10のレベルで考えて、5から6の程度の運動を行うと言うことだ。ダッシュするのでなければ、ぶらぶら歩きでもない、その中間程度の早足と言うことになる。

しかも、最近行われた調査によれば150分を5回に分けると言うような事じゃなくても、1分や2分の早歩きを積み重ねることで、週に150分を達成すれば良いと言うことだ。だから30分を5回と言うようにまとまって運動出する必要はない。これは多くの忙しい人にとっては朗報ではないだろうか。仕事の合間に、1分だけ早足で歩いてみると言うことを繰り返せば良い良いのである。

しかもその運動も、スポーツウェアに着替えてジョギングするようなことではなく、日常生活の中で買い物のバックを持って歩くようなことで十分に健康に良い効果をもたらす運動になると言う。

もう一つ別の研究で明らかになったことで、気が楽になるのは、150分の運動をまんべんなく分散させる必要はないと言うことだ。2017年に行われた研究によれば、運動を週末だけに行った人も病気のリスクを減らして健康維持できると言うことにがわかった。だから平日に運動が全くできない場合には、土日に75分ずつ行えば良いと言うことになる。

1日10,000歩の歩行がよく言われてきているが、これについては、今年の3月に医学情報サイトThe Lancetに発表された研究によれば、1日10,000歩ではなく、もう少し少ない歩数で良いと言う。

週150分の運動は歩数に換算すると、1日7000歩から8000歩となるという。この研究を行った研究者によれば60歳以下では8000歩から10,000歩、60歳以上では1日6000歩から8000歩が運動の基準を満たす。

様々な研究により、ミニマムとして週150分が推奨されているが、それ以上に行っていけないと言う事でもない。2015年に発表された研究では、150分を超える運動は害ではなく、さらに健康への効果があることが証明されている。

現時点の自分自身の運動では、週に150分を超える散歩行っている。だがこれは運動と言うよりも、むしろ精神的な効果が大きい。しかも大抵の場合は、音楽を聴くか、オーディオブックを聞いているので読書と言うことにもなる。だから週150分と言う基準が証明されたとしても、今の朝の運動の時間を縮める予定は無い。

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