Z世代のアプリとして語られることが多いTikTokだ。しかしユーザーの年齢は広がっており、以前よりも20代30代が増えてきているようだ。それにつれてユーザーも増え、2022年1月現在で10億人の月間アクティブユーザーがいる。
すでにダウンロードは30億回を超えており、潜在的にはこの数字はもっと伸びる可能性がある。ダウンロード数としては2020年と2021年でのどちらでも世界で1位だ。日本での利用者の数は2019年に950万人と公表された以降、発表は無い。このために950万人がどの程度増えているのかわかってはいない。確実にこの何倍かになっているだろうというのが肌感覚だ。学生に聞いてもソーシャルメディアでは、TikTokを見ていると言うが声が圧倒的に多い。
サービスの開始直後は15秒の短い動画のみの投稿できたが、その後60秒が加わった。その時点では、動画のサイトの投稿サイトの中心であるYouTubeに対して音楽のついた短いダンス動画投稿サイトでニッチな存在だったと思われる。それが動画のサイトとして中心的な役割を果たすようになると、長い動画の必要性も出てきた。2021年には3分の動画が導入されすぐに5分も使えるようになった。そして今年に入って10分の動画も可能になっている。今後、YouTubeのように、投稿動画の長さは無制限と言うようななっていくものと想像する。
TikTokは中毒性があると言われる。自分に合った動画が次々とお勧めされるのである。これは、親会社のバイトダンスの開発したアルゴリズムが優れているからだと言われている。このため使用時間は長くなり2020年段階でFacebookとInstagramの使用時間を抜いている。
人気が出るにつれて広告収入も急成長しており2021年の数字で46億ドル。これは前年比で142%だ。この数字は今後さらに伸び続けるものと思われる。同程度のユーザーがいるInstagramの広告収入は260億程度となっているので、TikTokの広告収入はまだ何倍も伸びる可能性がある。
広告主を増やすために、広告主と動画のクリエイターを繋ぐプログラムも行っている。フォロワーが1000人以上の動画クリエイターに対して、参加広告主の広告を制作する内容だ。実際に広告として採用されたときには、報酬が支払われる。これは、もちろん広告収入の分配という事だ。このための資金として、2億ドルがプールされており。来年までに10億ドルにするという。
このプログラムは、フォロワーが1000人以上と言う事で、駆け出しの動画クリエイターでも広告制作に参加できる魅力的なプログラムである。また、広告主にとってもTikTokのユーザに受けるコンテンツの制作に苦労しているであろうから、多くのクリエイターのコンテンツから広告を選ぶことにはメリットがある。
TikTokはクリエイターに金銭を支払うことでTikTokに囲い込むことを目的としている。Metaなども、このプリグラムに対抗して、広告収入の一部を動画のクリエイターに払い戻すプログラムを開始しており、動画共有サイトでの動画クリエイターの争奪戦が始まっている。プラットフォーム自身はコンテンツを自ら制作しないので、動画クリエイターがどこに投稿するかが彼らのビジネスを生死を決定することになるからだ。