Netflixは長らく拒否してきた広告付きプランを年内に開始することを発表している。先に広告付きプランの計画を発表していたDisney+は、3月に2022年中に広告付きプランを開始するとして詳細を明らかにしていなかった。
アメリカ広告業界恒例のメディアが広告のプログラムを発表するアップフロントの週を迎えて、Disney+は、その広告プログラムの詳細を広告主に発表した。
まず開始時期は、2022年の第4四半期と言うことだ。これはNetflixと同じ時期に開始になる。というかむしろ、このDisney+の開始の時期に合わせてNetflixは広告モデルを導入すると言うことなのだろう。
それから、Disney+の広告の挿入される時間は、1時間当たり4分に制限される。これはHuluの8分の半分だ。日本の広告ではテレビでの広告は1時間に6分と決められている。Disney+の広告の時間は、それはよりは少ないが、圧倒的に広告の量が少ないと言うわけでもない。ただしアメリカのテレビは、日本より広告が多く、1時間に13分から14分程度入るために、それを考えると圧倒的に広告の数は少ない。
広告は、15秒か30秒のスポットが当初のフォーマットである。広告主にも制限があり、アルコールや政治の広告は受け入れられない。また会社全体としてのDisneyと競合するような商品やマーケティング活動については制限を設けると言う。
広告のタイミングについては詳細は明らかではないが、映画では自然な流れで広告を挿入すると言う。広告を挿入するタイミングを考えて作られているテレビ番組と違い、映画については流れを遮らないように配慮するようだ。
Disney+では未就学児のユーザに対する広告が禁止されると伝えられていたこともあったが、そうではなく、ペアレンタルコントロールの対象となり、子供向けの広告は行われる。ただし広告主のために子供のユーザのデータは収集しないとしている。
既に広告モデルを導入しているHBO Max、Paramount+、Peacockに続いて、Disneyも詳細を明らかになり、Netflixも年内には広告プランが導入されるために、定額配信サービスのすべてが広告に対応することになる。これは、テレビの歴史上では、別のパターンである。テレビ放送は広告付きの無料で始まり、その後、特別のコンテンツを用意した有料放送が始まった。しかしストリーミングに関してはこのパターンの逆だ。
NetflixとDisney +の広告付きプランが導入されたとユーザがどのように行動するのか注目される。現時点では、料金が不明だが、HBO Maxは広告付きプランは、3分の2の料金で提供されている。これが、契約者数にどの程度影響するか。そして日本でもNetflixとDisney +の広告付きのプランが導入されたときに、契約者が増えるのかどうか。配信サービスを利用する人が増えると、長期的な減少傾向にある通常のテレビ広告はさらに減少が加速する恐れがある。