ペプシは、10年間続いたスーパーボウルのハーフタイムのタイトルスポンサーを更新しないと発表した。この広告業界の最大のイベントの、さらにその中でも注目を集めるハーフタイムショーのタイトルスポンサーを降りるのは大きな決定であろう。
スーパーボールのハーフタイムショーは、その出演者が豪華なこともあり毎年大きな話題になっている。まだアメリカにいた時に、ハーフタイムショーにマイケル・ジャクソンが登場した時は驚いた。その当時のマイケル・ジャクソンのコンサートが、スポーツイベントの中で行われることが信じられなかった。ハーフタイムショーには何人かのアーティストが登場するケースが多く、ソロのライブは初めてだったと記憶している。12分間に渡ってアメリカ中が注目するイベントだ。
その後、ダイアナ・ロス、U2、 Paul McCartney、ローリングストーンズ、MADONNAなど単独のコンサートは何度も行われている。
ペプシが、タイトルスポンサーになる前の5年間はブリヂストンがスポンサーであった。ブリヂストンのスポンサーの時代は、20世紀の大物アーティストがコンサート選ばれていた。Tom Petty Bruce 、Springsteen、The Who、 MADONNAである。ブリヂストンが5年間で降りた理由は明らかにされていないが、2011年のブラック・アイド・ピーズのパフォーマンスが不評であったことが関係しているかもしれない。20世紀の大物タレントからではなく比較的若年層に受けるアーティストを選んだことが逆効果だったのかもしれない。
一方ペプシの時代になってからは比較的若いアーティストが登場した。しかし、ハーフタイムショーの視聴者は、近年落ち込んできていた。2015年のケイティ・ペリーの1億2000万人がピークで、2021年にはザ・ウィークエンドの9670万人まで落ち込んだ。これが、ペプシが降板を決めた理由の一つ。
もう一つの判断は、テレビで放送されるスーパーボールが若い世代を惹きつけるイベントではなくなっていると言うことだ。スーパーボールと言う一夜のイベントではなく、年間を通じて若い世代とYouTubeやTikTokを通じてコミニケーションする方が効果が高いと言う判断をしたのかもしれない。
アメリカで最も広告費が高いスーパーボールであるが、その中でもハーフタイムショーのタイトルスポンサーは高額である。ブリヂストンのスポンサーの時代には500万ドルと言われていたものが、今は2,500万ドルから5,000万ドルかかると言われている。
ペプシ降板の後のスポンサーは現時点ではまだ発表されていない。高額であっても国民の目を惹きつけるこのイベントの価値はまだまだ高く、スポンサーはすぐに決まるだろう。