昨年実施されたiPhoneのiOS14とiOS15のアップデートによるプライバシーポリシーの変更は、広告業界に大きな影響与えている。最も影響受けているのは、広告売り上げ世界第2のMetaだ。1位のGoogleは、スマホではAndroidから収益を上げているので、あまり影響受けない。Meta傘下のFacebookは2月に2022年の広告収入が100億ドル減少すると発表している。
iPhoneのプライバシーポリシー変更前にはFacebookがiPhoneのユーザの端末識別子IDFAを使って、ユーザーのウエブ上の行動を追跡することができた。その結果、特定の狙ったターゲットに広告を配信することができ、その広告の効果が高かったから、多くの広告主がFacebookの広告を利用した。例えば、ダイエット関連のサイトを訪問したような人にダイエット商品の広告を配信すると言うような事だ。
すべてのiOS端末に付与されているID FAにより、その端末のユーザのウェブ上の行動を正確に追跡することができる。これはブラウザのクッキーと同じ機能だ。
AppleはこのID FAの履歴を追跡する許可をユーザに求めるよう、昨年からプライバシーポリシーを変更している。
新しいアプリを使うときに、ポップアップでデータの共有を許可するか許可しないかの画面が現れて、ユーザに選択させるようにしている、あれだ。この結果iPhoneユーザの7割から8割は許可しないを選択していると言う。このために広告配信のために使われていた、ユーザの行動の追跡ができなくなり、広告配信の手がかりを失ったのだ。
しかし、広告主や広告業界はこの問題を解決するために様々な検討行っている
例えばその1つは、iPhoneのデータにアクセスしてID FAを抜き取るとのではなく、別のIDを生成するアプリがある。このIDはアプリをまたいで追跡できるので、ユーザの行動を追跡し、最適なターゲティングを行った広告を配信することができる。そのような、アプリはすでに数多く使われているという。
あるいは、IPアドレスを使ってアプリをまたいでIDをリンクさせる方法もあると言う。
Appleは、iPhoneのプライバシー保護機能売り物にしているが、これはいたちごっこだ。広告業界は、新しい抜け道を探して、インターネット広告の成長の要因とも言える正確なターゲティングを行うとする。その最大の企業は、最も影響受けているMetaであり、しかもMetaのAppleとの敵対的な関係は有名だ。マーク・ザッカーバーグは、たぶん莫大な費用を投下して、Appleのプライバシーポリシーの裏をかくような技術の開発に必死のはずだ。だが、Appleも負けずに、それに対抗するような、技術的対応策をすぐにとることも予想される。
インターネット広告がこれほど成長したのは、単純に効果があるからだ。追跡技術により、ターゲティングが正確で、さらに、広告に接触した人が、実際に購入したかどうか効果がすぐにすぐに見える。それはもちろんiPhoneのID FAやブラウザのクッキーに見られるようにユーザの追跡機能にあった。プライバシー保護とともに、これが今後どのように展開するがのが見えない。
しかし、考えてみればインターネット以前の広告は、それほどターゲティングの精度は厳密でなく、しかもその広告に接触した人が購入したことなど全くわからなかった。それでも車を売る時は、車の雑誌に広告を出したりするような文脈を考えて広告を配信することを行っていた。インターネットも同様で同じような形で広告の配信と言うのは常に可能だ。