App Storeエコシステムは1兆1230億ドル

by Shogo

Appleが、iPhoneのエコシステムについてまとめたニュースリリースを発表していた。そのリリースによるとApp Storeのエコシステムは、2008年の開始以来1兆1230億ドルを稼ぎだした。そして、少しいやらしいのは、この売上の90%はAppleの手数料が適用されない売上ということも発表している。

Apple税として悪名高い30%の手数料は、アプリの販売に対して適用される。この1兆1230億ドルは、アプリが行ったビジネスの売上なので、すべてに適用されるわけではないことを言いたかったのだろう。特に2022年は大きく売上が伸びたそうだ。Appleの説明によれば、旅行や配車ビジネスが回復したことと、ソーシャルメディアやアプリでの広告費が貢献していると言うことである。

App Store開始以来、2022年末まででiOSアプリ開発者は3200億ドルを稼いでいることも発表している。これは、Apple税の対象だ。特に2022年は1年で600億ドルと大きな売り上げとなっている。これは、Appleによれば、30%のApple税と非難された後、売上が100万ドル以下の小規模事業者に対するプログラムとして、App Storeスモールビジネスプログラムを開始して、小規模事業者の手数料が30%から15%に減額されたことも影響しているそうだ。

また、App Storeエコシステムの1兆1230億ドルの内訳もAppleは発表している。商品販売が6210億ドルと最も多い。これは全体の55.3%だ。2番目に多いのはアプリの中での広告でこれが1090億ドルで9.7%のシェア。3番目に多いのは、デジタル製品やサービス販売で1040億ドル9.2%のシェア。次いで旅行は1020億ドル、9%。次は家庭用食品類で525億ドル、4.6%のシェア。次に多いのは食事の出前やピックアップで 770億ドル、6.8%のシェア。配車サービスが520億ドルで4.6%となり、最後は、電子決済が100億ドルで0.9%のシェア。電子決済はApp Storeの15年間の歴史の中では新しくまだシェアが小さいのだろう。

iPhoneは史上まれに見るほど成功した商品である。その操作性やデザインが優れている事は間違いない。世界で売れているスマホの4台に1台がiPhoneだ。しかし、iPhoneが我々の生活の中のインフラになるためには、App Storeに用意されている様々なアプリがあるためである。スティーブ・ジョブズは、当初サードパーティー製のアプリをApp Storeで配布・販売することに反対したそうだ。

もしiPhoneに様々なアプリがなくて、Appleの作るアプリしかなかったと考えると、今ほどiPhoneは便利ではなかったかもしれない。多くの人はiPhoneを使ってコミュニケーションを行い、銀行振り込みをし、ゲームもすれば、音楽を聴く。歩数を数え、睡眠もチェックする。あらゆることをiPhoneで行うようになっている。これはすべてApp Storeで配布されているアプリによって行われている。

世界に何台のiPhoneがあるのかわからないが、2021年1月にCEOのティム・クックは世界で稼働しているiPhoneの数は16.5億台と発言している。これはiPhoneだけの数なのでiPadは含まない。それまで考えると、かなりの数のiOS端末が世界中にあり、多くのアプリ開発者は、このエコシステムの上でビジネスを行うために、様々な開発を行っているし、iPhoneを利用したビジネスを考えている企業も数多くある。これを考えると15年間で1兆1230億ドルは納得できる数字だ。そして、たぶん、次の15年はこれよりはるかに多い数字になるということが想像できる。

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